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第三章 タカ

00.空色の龍03

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 最期の時を間近に感じる。

 とうとうこの身も空に、この身と同じ青に溶ける。


 ああ。
 でも、もう大丈夫。
 力を感じる、もう、心配することなど何ひとつない。
 だから大丈夫だ。


 問題ばかりを抱えていたわたしに、わたしの唯一は本当に誰よりもすごいことをやってくれた。
 わたしの唯一。
 せめて最期にもう一度だけ、ほんの一目逢いたかったのだと言ったら、わたしの唯一は。


 わたしの唯一のあの者は、わたしを嗤うだろうか。
 それとも、わたしに対して怒りを顕にするだろうか。

 わたしの唯一がむける感情であればどんなものでも受け入れよう。

 そうして最期は、わたしの唯一を想ってその空へと舞い上がろう。



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