猫と三日月のゆるふわ事件簿
文明開化の明治時代。
鎖国の終わりとともに日本帝國には多くの文化と偉人、そして――人知れず吸血鬼たちが入り込んでいた。
「物の記憶を読み取る力」を持つ柚子は、カフェー『三日月堂』で南蛮渡来の甘味をつくりながら、失せもの屋として人々の悩みや失せ物の相談を受けていた。
ある朝、柚子は店先で倒れている青年、アランを拾う。
アランを警戒しつつも介抱すると、彼は差し出した甘味を大量にぺろりと平らげてしまった。
「すごい美味しかった。また来てもいいかな?」
そう言って店を後にしたはずのアランと、なぜか依頼先で再会する。
驚きも束の間、アランは当然のように柚子の隣で、失せ物探しに加わった。
失せ物とともに発見した人物画には、150年以上前のもののはずが彼にそっくりな人が描かれており――……
彼はただの甘党か、それとも――?
失せ物にまつわる小さな謎と事件が交差する、甘くてほろ苦い事件簿、開幕!
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