辺境伯は嵌められた元令息から目が離せない

冤罪により、辺境の地へ追いやられた元侯爵令息ユベール。
だが彼は、あまりのことに気を病んで――はいなかった。
野山を駆け回り、虫を捕まえ、草花をスケッチし、のんびり釣りをする。
それはすべて、侯爵家の跡取りとして縛られていた頃には許されなかった自由だった。
そんな生活から一年。
冤罪を証明できそうだと、幼なじみの王太子から報せが届く。
――王都へ戻れる。
だがそれは同時に、あの窮屈で冷たい場所へ戻るということでもあった。
迷うユベールの前に現れたのは、これまで静かに見守るだけだった辺境伯ラドヴァン。
「ならば、ずっとここにいろ」
「俺と婚約すればいい」
不器用に、しかし真っ直ぐに差し伸べられた手。
優しく(時に暑苦しく)包囲してくる辺境伯と、冷遇され続けた元侯爵令息の恋物語。
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