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10.最後になんてさせない
しおりを挟むどくどくと鳴り響く正宗君の力強い鼓動の音と、大きく息を吸い込んでは吐きだす色っぽい正宗君の吐息の音が、私の脳に飛び込んでくる。
「彩はバカだ……何が最後だ!俺の気持ちも考えろっ……」
正宗君は力一杯両腕で私を抱きしめる。
「なんで……。普通、こんな女嫌になって離れるでしょ……」
「たしかにびっくりはした。けど、こんなになるまで彩が思い悩んでいたことに気づくことができなかった自分が情けない……ごめんな、彩」
引き締まった腹筋と厚い胸板、程よくついた筋肉が私を包んで離さない。
これまであまり肌を触れ合わせたことがなかったから、この力強い抱擁に私は改めて正宗君が男性なんだと気づく。
「俺はな、彩。彩が思っている以上に俺は彩が好きなんだ。……愛してる。人よりも冷静になれると自負していた自分がどうしてか彩への想いだけは制御できない」
私が恐る恐る正宗君の顔を覗くと、正宗君の顔には私によって与えられた快楽に耐えながらも、いつもと同じ優しい笑顔を浮かべていた。
「どんな過去を持っていたとしても、本当の姿がどんなものだったとしても、俺は彩のことを愛し続けている」
私は正宗君の胸に抱かれたまま、そっと尋ねる。
「……私は正宗君の思っていた純粋で可愛い女の子じゃないよ」
「彩がそう思っていなくても、俺にとっては純粋で優しくて可愛い俺の彼女だ」
「…………私とのセックス、絶対にひいちゃうよ。だってセフレにもっ……!!!」
「それ以上は言わないでくれ。仮にも彼女の過去の男の話なんて聞きたくない。できることなら、そいつら1人1人をぶん殴ってやりたいくらいなんだっ……」
「ま、正宗君っ……?」
今までに見たことがないほどの剣幕で使いかけのコンドームを睨む正宗君。
そんな正宗君を見て私は背筋がひやりとしてしまった。
私が怯えているのに気づいたのか、正宗君はハッとして睨むのをやめると、私の方を振り向いて真剣な声色で私に問いかける。
「……とにかく。最後だなんて言うな。彩のこれまでを俺ので上書きして、もう俺のことしか考えられないようにしてやる」
いつもの正宗君からは感じられない独占欲が強く感じられる言葉に、私は思わずときめいてしまう。
そして、私のアソコはしとどに濡れそぼってパジャマにまで染み渡り、正宗君の服に染みを作ってしまう。
「彩、今ので感じてくれたのか?」
気づいた時にはもう遅かった。
「ご、ごめん。洗って返すからっ……」
「いや、その必要はない。これからもっとすごいことをするんだから服なんて全部脱いでしまえばいい」
そう言ってシャツを全部脱いで上半身裸になった正宗君は私の耳元で囁く。
「……彩とセックスがしたい。いいか?」
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