本当に、愛してる

双子のたまご

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第二章

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「…ねぇ、龍海。」

帰り道、兄さんに声をかけられる。

「なんだ。」

「翠さん、死んじゃいそうだったね」

急に縁起でもないことを言われる。

「な、何を言ってるんだ兄さん。」

「生きる理由無くなったんだろうねってこと。
妹さんが、彼女の生きる理由だったんだろうねってこと。」

「…」

「生きる理由が無くなったから、いつ死んじゃうか分かんないねってこと。」

「…そうかもしれないな。」

「…ねぇ、生きる理由を作ろう。
凄く傲慢なことだけど。」

「生きる理由?」

「翠さんを一人にしないようにしよう。」

「…どうやって。」

「う~ん、まずは…会社のお迎えとか?」

「…嫌がられたらどうする」

「どうしようね。
まぁ一旦やってみよう。」

正直、どうしてここまで兄さんがあの女に肩入れするのか分からない。
あの女のことが好きなのは、兄さんの方なんじゃないか。
…兄さんはあの女が好きなのか?
別にそうであっても関係ない。
俺は別に、なんとも思ってない。










「…翠さん、遅いねぇ」

「…」

彼女が仕事に復帰したことを確認して、二人で彼女の職場まで来ていた。
俺達を見てどう反応するだろうか。
また怒るだろうか、泣くだろうか。
そんなことを考えながら彼女の勤める薬局を眺める。

「…ん?」

「どうしたんだい?」

「あれ…」

薬局の裏から素早く飛び出た人影。
何故か、彼女だとすぐに分かった。

「あいつだ」

「えぇ?本当?」

「捕まえてくる。」

「おぉ、いってらっしゃい。
ゆっくり追い付くよ。」

後ろ姿を追いかけて、走り出した。

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