「真実の愛」とやらで国を滅ぼしかけた王太子が、路地裏で私に助けを求めてきましたが、無視してパンを買いに行きました。
「真実の愛」を掲げ、婚約破棄と放蕩の末に国を経済崩壊させた王太子レイナード。隣国に実権を握られ、路地裏に転落した彼が、泥を啜りながら私に助けを求めてきた。「助けてくれ、腹が減っているんだ」――だが、かつて彼に領地を奪われた元男爵令嬢の私は、差し出された手を冷たく一瞥する。
「あいにくですが、閉店間際のタイムセールの方が重要ですので」
これは、愛よりパンを選んだ女の、極めて現実的な生存戦略。
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