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第82話 ヒーローマント
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『さあ、マツイ。売るものは売ったし今度はなんか買っていってくれよ』
ベアさんが大きな手を広げて言う。
「わかってますよ」
俺の所持アイテムは皮の袋ににおい袋、薬草三つと魔力草と満腹草、それと黒曜の玉と影縫いのお守りと快眠枕。
そして俺の現在の装備品は攻撃力+10の妖刀ふたつなぎと防御力+1の鉢巻きと防御力+1のブーメランパンツのみ。
買うとしたら何かいい防具が欲しいところだが……。
俺はベアさんの足元を見た。
ずらりと商品が並んでいる。
俺はその中から目についたメタリックな兜を手に取った。
「これってなんですか? って重っ!」
『それは防御力+100のアルティメットヘルムだ』
「防御力+100っ!?」
『ああ、だが今のマツイには荷が勝ちすぎるんじゃないか』
確かに……力がかなり上がっているはずの俺が持っているだけで足がふらつく。
とてもじゃないがこれを頭にかぶってまともに戦えるとは思えない。
俺はそれを床に置くとベアさんに訊ねる。
「防具が欲しいんですけど今の以外で何かありますか?」
『だったらこいつなんかどうだ』
言うとベアさんは右端にあった布地を持ち上げた。
「それなんですか?」
『防御力+3のヒーローマントだよ』
俺はそれを受け取ると触って確かめる。
うーん……名前だけはいっちょ前だが肌触りは薄っぺらくてなんとも安っぽい。
「マツイさん、ちょっと着てみてくださいよ。ベアさんいいですよね?」
『構わないぜ、着てみな』
「はあ……」
二人が進めるのでマントを装着してみた。
「わあっ。マツイさんよく似合ってますよっ」
『おお、なかなかいいじゃねぇかマツイ』
ブーメランパンツにマント。
これでは不審者ではないか。
大体こんな薄い生地で身を守れるのだろうか?
「あのベアさん、他にありませんか?」
『悪いな、今ある防具はこれだけだ』
「え、そうなんですか」
まいったな。
これから敵がどんどん強くなっていくだろうに……。
「……じ、じゃあ、これください」
考えた挙句何もないよりはしマシだろうと俺はヒーローマントを買うことにした。
『あいよ。三万だ』
「三万っ!? こんなのがですかっ?」
予想外の値段の高さについこんなのと言ってしまった。
だがベアさんは気にする様子もなく、
『そうだぜ。そいつは結構なレアアイテムだからな』
と指をちょいちょいと動かす。
俺はくださいと頼んだ手前なんとなく断りにくく感じ、
「……はい」
と三万円を差し出した。
俺、ぼったくられてないよな……?
ここまでの稼ぎ――二万八千八百七十円也。
ベアさんが大きな手を広げて言う。
「わかってますよ」
俺の所持アイテムは皮の袋ににおい袋、薬草三つと魔力草と満腹草、それと黒曜の玉と影縫いのお守りと快眠枕。
そして俺の現在の装備品は攻撃力+10の妖刀ふたつなぎと防御力+1の鉢巻きと防御力+1のブーメランパンツのみ。
買うとしたら何かいい防具が欲しいところだが……。
俺はベアさんの足元を見た。
ずらりと商品が並んでいる。
俺はその中から目についたメタリックな兜を手に取った。
「これってなんですか? って重っ!」
『それは防御力+100のアルティメットヘルムだ』
「防御力+100っ!?」
『ああ、だが今のマツイには荷が勝ちすぎるんじゃないか』
確かに……力がかなり上がっているはずの俺が持っているだけで足がふらつく。
とてもじゃないがこれを頭にかぶってまともに戦えるとは思えない。
俺はそれを床に置くとベアさんに訊ねる。
「防具が欲しいんですけど今の以外で何かありますか?」
『だったらこいつなんかどうだ』
言うとベアさんは右端にあった布地を持ち上げた。
「それなんですか?」
『防御力+3のヒーローマントだよ』
俺はそれを受け取ると触って確かめる。
うーん……名前だけはいっちょ前だが肌触りは薄っぺらくてなんとも安っぽい。
「マツイさん、ちょっと着てみてくださいよ。ベアさんいいですよね?」
『構わないぜ、着てみな』
「はあ……」
二人が進めるのでマントを装着してみた。
「わあっ。マツイさんよく似合ってますよっ」
『おお、なかなかいいじゃねぇかマツイ』
ブーメランパンツにマント。
これでは不審者ではないか。
大体こんな薄い生地で身を守れるのだろうか?
「あのベアさん、他にありませんか?」
『悪いな、今ある防具はこれだけだ』
「え、そうなんですか」
まいったな。
これから敵がどんどん強くなっていくだろうに……。
「……じ、じゃあ、これください」
考えた挙句何もないよりはしマシだろうと俺はヒーローマントを買うことにした。
『あいよ。三万だ』
「三万っ!? こんなのがですかっ?」
予想外の値段の高さについこんなのと言ってしまった。
だがベアさんは気にする様子もなく、
『そうだぜ。そいつは結構なレアアイテムだからな』
と指をちょいちょいと動かす。
俺はくださいと頼んだ手前なんとなく断りにくく感じ、
「……はい」
と三万円を差し出した。
俺、ぼったくられてないよな……?
ここまでの稼ぎ――二万八千八百七十円也。
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