あの日、君は笑っていた

五年前、僕は彼女を殺した。


彼女はもういないのに、僕はまだのうのうと生きている。

悲しみと寂しさと罪悪感。突然それに耐えられなくなった。


彼女の夢を思い返しては記憶をあさる日々。


そんな折に僕は一人の女の子と出会う。

明るくて純粋で優しい麗奈ちゃん。

誰かと一緒に過ごす日々に幸福を感じたのは五年ぶりだった。

だけどある日気が付く。麗奈ちゃんは僕に嘘をついていた。

どうして嘘をついていたのか。何を知っていて何を隠していたのか。



僕だけが何も知らないままだった。
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