文字の大きさ
大
中
小
348 / 2,093
都市崩壊編
ウルとダインに迫る危機
――時刻は少し前に遡り、橋から流されてしまったコトミンとレナの後を追ってダインはウルの背中にしがみ付きながら二人の姿を探していた。結果的にはコトミンの魔法のお陰で暴走していた森人族の騎士達は正気を取り戻したのはいいが、予想外に水の勢いが強すぎて数人が川に流されてしまう。
「たくっ、何処まで流されたんだよあいつら……全然見えないぞ」
「ウォンッ!?」
「うわ、何だっ!?」
ウルと共にダインは川を下るが、一向にレナとコトミンの姿は見えない。それでも川を辿れば必ず二人を見つける事が出来ると信じてダインはウルを走らせるが、途中で急にウルは立ち止まってしまった。
「きゅ、急にどうしたんだよウル?僕が強くしがみ付き過ぎたか?」
「クゥ~ンッ……」
ダインは自分が首元を強く抱きしめ過ぎたから止まったのかと考えたが、それを否定するようにウルは首を振り、聞き耳を立てるように耳を動かす。彼の行動にダインは訝しむが、耳を研ぎ澄ませるようにウルは黙り込み、目を見開いてある方向を睨みつける。
「グルルルッ……!!」
「ウル?どうしたんだよ……何だっ!?」
唸り声を上げたウルにダインは何が起きたのか尋ねようとした時、近くに存在した建物の壁が崩壊し、派手な土煙が舞い上がる。何事かとダインは壁が崩壊した建物に視線を向けると、そこには予想外の存在が立っていた。
「いつつっ……くそ、化物がっ!!」
「大丈夫ですかシュン!!」
「馬鹿な……何なのだこいつは!!」
「え、あんたは……確か剣聖のシュンと、王国四騎士のリンダとアカイ!?」
壁を破壊して街道に倒れこんだのは剣聖のシュンであり、すぐに瓦礫を飛び越えてティナの護衛役を任されているはずのリンダと国王の護衛を務めるアカイも現れる。どうしてこの状況で3人が壁が崩壊した建物から姿を現したのかとダインは驚くと、彼の存在に気付いたシュンが注意の言葉を掛ける。
「おい、お前!!ここは危ないから下がってろ!!巻き添えを喰らうぞ!!」
「下がりなさい!!すぐにここから離れて!!」
「来るぞっ!!」
「ええっ!?」
瞬は右肩を抑えながら折れた剣を握りしめ、リンダは闘拳を装着し、アカイは風の精霊を呼び寄せて竜巻を身に纏う。3人の行動にダインは呆気に取られていると、建物の中から新しい人影が姿を現した。
『ウオオオオッ……!!』
「な、何だこいつ!?」
「おい、だから下がってろと言ってんだろ!!ここに居たら死ぬぞ!!」
「余所見をするな!!またくるぞ!!」
――ダイン達の前に現れたのは日本の「鎧武者」を想像させる赤色の甲冑を身に付けた巨大なゴブリンが出現し、その両手には紅色の刀身の「大太刀」を握りしめていた。ゴブリンの体長は通常の魔獣兵よりも一回り程大きく、巨人族を上回る巨躯のゴブリンが武器を振り下ろす。
『ウガァアアアッ!!』
「くそっ!!」
「くっ!!」
「ちぃっ!!」
「うわぁあああっ!?」
「ガアッ!?」
赤色の甲冑を装備したゴブリンが腕を振り下ろした瞬間、大太刀が地面に衝突して激しい振動が周囲に伝わる。更に刀身から炎が発火すると地面が爆発し、無数の石礫が周囲に襲い掛かる。シュンは刀を振って風の斬撃で石礫を振り払い、リンダは戦技を発動させて受け流し、アカイは両腕の竜巻で吹き飛ばす。
「何度も喰らうかよ!!」
「回し受け!!」
「こざかしい!!」
「いで、いででっ!?」
「キャウンッ!?」
剣聖であるシュンと王国四騎士のリンダとアカイはゴブリンの攻撃を受け切るが、ダインとウルは石礫を真面に受けて悲鳴を上げてしまい、慌ててその場に伏せる。その直後に爆発の生じた煙を振り払いながら姿を現したゴブリンが確認し、鼻息を鳴らす。
『ブフゥッ……!!』
「くそっ……舐めやがって」
「落ち着いて下さい!!相手は魔物とはいえ、只者ではありません。ここは3人で仕留めましょう」
「何を弱気な事を言っているリンダ……この程度の相手、俺一人で十分だと言っているだろう。お前達は早く国王様の元へ向かえ」
「ああっ!?お前、さっき俺が助けなかったらこいつに押しつぶされてただろうが!!」
3人は自分達を睨みつける武装したゴブリンと向き合い、先ほどから共闘を申し出るリンダに対して他の二人は共に戦う事を頑なに拒否していた。
「だいたいてめえは昔から頭が固すぎなんだよ!!いつも一人で何でもかんでも解決しようとしやがって……そのせいでてめえがへまをする度に俺達が尻拭いさせられてんだろうが!!」
「黙れ!!貴様の方こそ勝手にヨツバ王国を抜け出したかと思えば冒険者の真似事などしおって……貴様のせいで俺とリンダがどれほど苦労を掛けさせられたと思っている」
「いい加減にしなさい!!こんな時まで喧嘩している場合ですか!?」
「な、何なんだこいつ等……!?」
「ウォンッ……」
敵を前にしながら言い争いを始めた3人にダインとウルは呆気に取られ、彼等が言い争っている間にもゴブリンは次の攻撃に移ろうとしていた。
「たくっ、何処まで流されたんだよあいつら……全然見えないぞ」
「ウォンッ!?」
「うわ、何だっ!?」
ウルと共にダインは川を下るが、一向にレナとコトミンの姿は見えない。それでも川を辿れば必ず二人を見つける事が出来ると信じてダインはウルを走らせるが、途中で急にウルは立ち止まってしまった。
「きゅ、急にどうしたんだよウル?僕が強くしがみ付き過ぎたか?」
「クゥ~ンッ……」
ダインは自分が首元を強く抱きしめ過ぎたから止まったのかと考えたが、それを否定するようにウルは首を振り、聞き耳を立てるように耳を動かす。彼の行動にダインは訝しむが、耳を研ぎ澄ませるようにウルは黙り込み、目を見開いてある方向を睨みつける。
「グルルルッ……!!」
「ウル?どうしたんだよ……何だっ!?」
唸り声を上げたウルにダインは何が起きたのか尋ねようとした時、近くに存在した建物の壁が崩壊し、派手な土煙が舞い上がる。何事かとダインは壁が崩壊した建物に視線を向けると、そこには予想外の存在が立っていた。
「いつつっ……くそ、化物がっ!!」
「大丈夫ですかシュン!!」
「馬鹿な……何なのだこいつは!!」
「え、あんたは……確か剣聖のシュンと、王国四騎士のリンダとアカイ!?」
壁を破壊して街道に倒れこんだのは剣聖のシュンであり、すぐに瓦礫を飛び越えてティナの護衛役を任されているはずのリンダと国王の護衛を務めるアカイも現れる。どうしてこの状況で3人が壁が崩壊した建物から姿を現したのかとダインは驚くと、彼の存在に気付いたシュンが注意の言葉を掛ける。
「おい、お前!!ここは危ないから下がってろ!!巻き添えを喰らうぞ!!」
「下がりなさい!!すぐにここから離れて!!」
「来るぞっ!!」
「ええっ!?」
瞬は右肩を抑えながら折れた剣を握りしめ、リンダは闘拳を装着し、アカイは風の精霊を呼び寄せて竜巻を身に纏う。3人の行動にダインは呆気に取られていると、建物の中から新しい人影が姿を現した。
『ウオオオオッ……!!』
「な、何だこいつ!?」
「おい、だから下がってろと言ってんだろ!!ここに居たら死ぬぞ!!」
「余所見をするな!!またくるぞ!!」
――ダイン達の前に現れたのは日本の「鎧武者」を想像させる赤色の甲冑を身に付けた巨大なゴブリンが出現し、その両手には紅色の刀身の「大太刀」を握りしめていた。ゴブリンの体長は通常の魔獣兵よりも一回り程大きく、巨人族を上回る巨躯のゴブリンが武器を振り下ろす。
『ウガァアアアッ!!』
「くそっ!!」
「くっ!!」
「ちぃっ!!」
「うわぁあああっ!?」
「ガアッ!?」
赤色の甲冑を装備したゴブリンが腕を振り下ろした瞬間、大太刀が地面に衝突して激しい振動が周囲に伝わる。更に刀身から炎が発火すると地面が爆発し、無数の石礫が周囲に襲い掛かる。シュンは刀を振って風の斬撃で石礫を振り払い、リンダは戦技を発動させて受け流し、アカイは両腕の竜巻で吹き飛ばす。
「何度も喰らうかよ!!」
「回し受け!!」
「こざかしい!!」
「いで、いででっ!?」
「キャウンッ!?」
剣聖であるシュンと王国四騎士のリンダとアカイはゴブリンの攻撃を受け切るが、ダインとウルは石礫を真面に受けて悲鳴を上げてしまい、慌ててその場に伏せる。その直後に爆発の生じた煙を振り払いながら姿を現したゴブリンが確認し、鼻息を鳴らす。
『ブフゥッ……!!』
「くそっ……舐めやがって」
「落ち着いて下さい!!相手は魔物とはいえ、只者ではありません。ここは3人で仕留めましょう」
「何を弱気な事を言っているリンダ……この程度の相手、俺一人で十分だと言っているだろう。お前達は早く国王様の元へ向かえ」
「ああっ!?お前、さっき俺が助けなかったらこいつに押しつぶされてただろうが!!」
3人は自分達を睨みつける武装したゴブリンと向き合い、先ほどから共闘を申し出るリンダに対して他の二人は共に戦う事を頑なに拒否していた。
「だいたいてめえは昔から頭が固すぎなんだよ!!いつも一人で何でもかんでも解決しようとしやがって……そのせいでてめえがへまをする度に俺達が尻拭いさせられてんだろうが!!」
「黙れ!!貴様の方こそ勝手にヨツバ王国を抜け出したかと思えば冒険者の真似事などしおって……貴様のせいで俺とリンダがどれほど苦労を掛けさせられたと思っている」
「いい加減にしなさい!!こんな時まで喧嘩している場合ですか!?」
「な、何なんだこいつ等……!?」
「ウォンッ……」
敵を前にしながら言い争いを始めた3人にダインとウルは呆気に取られ、彼等が言い争っている間にもゴブリンは次の攻撃に移ろうとしていた。
感想 5,097
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ
異世界に召喚されたその日、巻き込まれた青年に俺が得るはずだったスキルを奪われた。
お詫びとしてチートスキルを授かった俺は、第二の人生くらい好きに生きようと旅に出る。
行き着いた先は、寂れた町の場末の酒場だ。
なぜか客は男ばかりだが、日雇い冒険者や恐妻家の肉屋たちとの気楽な毎日は悪くない。
……ただ一人、どう見ても貴族のような美青年がこの地味な酒場へ通ってくる理由だけは、さっぱりわからない。
「お前らツケはやめろ」
そんな穏やかな日々を送っていたはずなのに、ある日、酒場へ厄介な依頼が舞い込んできた――。
他サイトでも掲載しています。
不定期更新です。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
コミカライズ企画進行中です!!
3巻発売です!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&3巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(3巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
夏にはいよいよコミカライズ連載開始予定です!乞うご期待!!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)