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魔法学園編
第245話 再会の刻
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――同時刻、マオ達は教室にてバルルが戻ってくるのを待っていた。彼女が戻ってくるまでの間、マオは氷板を作り上げるとその上にミイナが乗り込み、バルトは感心した様子で見守る。
「はあっ……まさか自分が作り出した氷の上に乗るとはな」
「これ、楽しい。もっと早く動かして」
「う~ん、これ以上に早く動かすとバランスを保つのが難しくなると思うけど……」
「お、俺も次は乗っていいか?」
マオが氷板を操作すると上に載っているミイナは楽しそうにはしゃぎ、その様子を見ていたバルトも興味を抱く。氷板はマオも何度か乗り回した事はあるが、あまりに移動速度を上げると体勢を保つのが難しくて転倒の危険性があった。
これまでにマオが氷板を使用する際は高い場所へ移動する時や、建物の屋根の上を飛び移る際にしか使用していない。しかし、操作が慣れれば最終的には氷板を乗り回して移動手段として利用できるようになるかもしれない。
「にしてもお前は本当に色々と思いつくよな。その内、馬鹿でかい氷を作り出してガーゴイルに変形させて戦わせる事もできるんじゃないか」
「いや、流石にそこまでは……でも氷像ぐらいなら作れると思います」
「それなら夏の暑い時に氷を売ってお金を稼げばいい」
「いや、そんなに長続きしないだろ。だいたい商売目的で魔法を使ったら怒られるぞ」
雑談を交えながらもマオはミイナが乗った氷板の操作を行い、彼女が落ちない程度の速度で教室のなかを行き来させる。バルルが戻ってくるまで二人と楽しい時を過ごしていると、不意にミイナが猫耳がぴくりと反応する。
「待って、誰かがこっちに近付いて来てる」
「え、もう師匠が戻って来たの?」
「……違うと思う。足跡が軽いから子供だと思う」
「子供?どういう事だ、今は授業中だぞ。何人歩いてるんだ?」
「一人でこっちに近付いている」
現在の時刻は授業中のため、普通ならば生徒が廊下を歩いているはずがない。移動教室だとしても足音が一つしか聞こえない事に疑問を抱き、マオ達は教室の扉に視線を向けた。
教室の前に廊下を歩いていた人物が辿り着いたらしく、足音が止まると扉がゆっくりと開かれた。そして中に入ってきた人物を見てマオとバルトは席から立ちあがった。
「お、お前は!?」
「まさか……!?」
「にゃっ!?」
バルトは教室に入ってきた人物を見て表情を歪ませ、一方でマオは精神が乱れてミイナを乗せていた氷板を消してしまう。ミイナは何とか着地に成功すると、教室から入ってきた人物に顔を向ける。
――三人の視界に現れたのは腰に剣を差した少年であり、その顔を見たマオは目を見開く。彼の顔を忘れるはずがなく、かつて自分を魔物から助けてくれた少年だと気付いた。
「リオン!?」
「……久しぶりだな、マオ」
マオが名前を告げるとリオンは彼がここにいる事を知って笑みを浮かべ、その一方でバルトの方はリオンの顔を見た途端に腰に差していた杖を握りしめる。
「……よう、久しぶりだな。俺の事を覚えているか?」
「お前は……思い出した、入学式の時に俺に突っかかってきた奴だな?どうしてここにいる?」
「ちっ、相変わらずむかつくやろうだな……」
「先輩、喧嘩は駄目ですよ!!」
リオンの態度にバルトは苛立ちを抱くが、そんな二人の様子を見てマオは間に割り込む。しかし、流石のバルトもここでリオンに手を出すような真似はせず、彼は自分の身に付けた月の徽章を指差す。
「これを見ても分からないのか?俺もお前と同じ立場なんだよ」
「ほう、それは面白い……月の徽章を与えられたという事は少しは腕を上げたのか?」
「あ?」
「だから喧嘩は駄目ですって!!」
「マオが困っている、二人ともそこまでにして」
こめかみに青筋を浮かべたバルトと、彼を小馬鹿にするような態度を取るリオンの間にマオとミイナは割込み、二人が喧嘩するのを阻止しようとする。
「ちっ、相変わらずむかつくガキだぜ……」
「それはこちらの台詞だ」
「リオン!!相手は先輩なんだから少しは気を遣いなよ!!それにバルト先輩もいりいち突っかからないで!!」
「大人げない……」
「「ふんっ」」
バルトとリオンはあからさまにそっぽを向き、その様子を見てマオとミイナはため息を吐き出す。折角リオンが戻ってきたというのにマオは再会を喜ぶ暇もなく、相変わらずの彼の態度に呆れてしまう。
先輩が相手であろうとリオンは態度を変えず、彼は黙ってマオ達の元へ向かう。近付いてくるリオンにバルトは睨みつけ、ミイナも警戒したように見つめると、リオンはマオの前に立ち止まる。
「ここにまだ残っているという事は、少しは魔法の腕を上げたという事だな?」
「えっ……」
「お前がどれだけ成長したのか……今ここで見せてもらおうか」
リオンの言葉にマオは呆気に取られ、一方で他の二人も唖然とする。戻ってきて早々にリオンはマオの力を確かめるために彼の持つ杖に視線を向けた――
「はあっ……まさか自分が作り出した氷の上に乗るとはな」
「これ、楽しい。もっと早く動かして」
「う~ん、これ以上に早く動かすとバランスを保つのが難しくなると思うけど……」
「お、俺も次は乗っていいか?」
マオが氷板を操作すると上に載っているミイナは楽しそうにはしゃぎ、その様子を見ていたバルトも興味を抱く。氷板はマオも何度か乗り回した事はあるが、あまりに移動速度を上げると体勢を保つのが難しくて転倒の危険性があった。
これまでにマオが氷板を使用する際は高い場所へ移動する時や、建物の屋根の上を飛び移る際にしか使用していない。しかし、操作が慣れれば最終的には氷板を乗り回して移動手段として利用できるようになるかもしれない。
「にしてもお前は本当に色々と思いつくよな。その内、馬鹿でかい氷を作り出してガーゴイルに変形させて戦わせる事もできるんじゃないか」
「いや、流石にそこまでは……でも氷像ぐらいなら作れると思います」
「それなら夏の暑い時に氷を売ってお金を稼げばいい」
「いや、そんなに長続きしないだろ。だいたい商売目的で魔法を使ったら怒られるぞ」
雑談を交えながらもマオはミイナが乗った氷板の操作を行い、彼女が落ちない程度の速度で教室のなかを行き来させる。バルルが戻ってくるまで二人と楽しい時を過ごしていると、不意にミイナが猫耳がぴくりと反応する。
「待って、誰かがこっちに近付いて来てる」
「え、もう師匠が戻って来たの?」
「……違うと思う。足跡が軽いから子供だと思う」
「子供?どういう事だ、今は授業中だぞ。何人歩いてるんだ?」
「一人でこっちに近付いている」
現在の時刻は授業中のため、普通ならば生徒が廊下を歩いているはずがない。移動教室だとしても足音が一つしか聞こえない事に疑問を抱き、マオ達は教室の扉に視線を向けた。
教室の前に廊下を歩いていた人物が辿り着いたらしく、足音が止まると扉がゆっくりと開かれた。そして中に入ってきた人物を見てマオとバルトは席から立ちあがった。
「お、お前は!?」
「まさか……!?」
「にゃっ!?」
バルトは教室に入ってきた人物を見て表情を歪ませ、一方でマオは精神が乱れてミイナを乗せていた氷板を消してしまう。ミイナは何とか着地に成功すると、教室から入ってきた人物に顔を向ける。
――三人の視界に現れたのは腰に剣を差した少年であり、その顔を見たマオは目を見開く。彼の顔を忘れるはずがなく、かつて自分を魔物から助けてくれた少年だと気付いた。
「リオン!?」
「……久しぶりだな、マオ」
マオが名前を告げるとリオンは彼がここにいる事を知って笑みを浮かべ、その一方でバルトの方はリオンの顔を見た途端に腰に差していた杖を握りしめる。
「……よう、久しぶりだな。俺の事を覚えているか?」
「お前は……思い出した、入学式の時に俺に突っかかってきた奴だな?どうしてここにいる?」
「ちっ、相変わらずむかつくやろうだな……」
「先輩、喧嘩は駄目ですよ!!」
リオンの態度にバルトは苛立ちを抱くが、そんな二人の様子を見てマオは間に割り込む。しかし、流石のバルトもここでリオンに手を出すような真似はせず、彼は自分の身に付けた月の徽章を指差す。
「これを見ても分からないのか?俺もお前と同じ立場なんだよ」
「ほう、それは面白い……月の徽章を与えられたという事は少しは腕を上げたのか?」
「あ?」
「だから喧嘩は駄目ですって!!」
「マオが困っている、二人ともそこまでにして」
こめかみに青筋を浮かべたバルトと、彼を小馬鹿にするような態度を取るリオンの間にマオとミイナは割込み、二人が喧嘩するのを阻止しようとする。
「ちっ、相変わらずむかつくガキだぜ……」
「それはこちらの台詞だ」
「リオン!!相手は先輩なんだから少しは気を遣いなよ!!それにバルト先輩もいりいち突っかからないで!!」
「大人げない……」
「「ふんっ」」
バルトとリオンはあからさまにそっぽを向き、その様子を見てマオとミイナはため息を吐き出す。折角リオンが戻ってきたというのにマオは再会を喜ぶ暇もなく、相変わらずの彼の態度に呆れてしまう。
先輩が相手であろうとリオンは態度を変えず、彼は黙ってマオ達の元へ向かう。近付いてくるリオンにバルトは睨みつけ、ミイナも警戒したように見つめると、リオンはマオの前に立ち止まる。
「ここにまだ残っているという事は、少しは魔法の腕を上げたという事だな?」
「えっ……」
「お前がどれだけ成長したのか……今ここで見せてもらおうか」
リオンの言葉にマオは呆気に取られ、一方で他の二人も唖然とする。戻ってきて早々にリオンはマオの力を確かめるために彼の持つ杖に視線を向けた――
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