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case.3 愛◆1

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 サイレンが鳴り始める日の午前の出来事。

監獄塔から少し離れた警察部隊本部にて。

「No.824はどう処理する気なの?」


 銀髪の長い髪を右で一つに結び、目元にほくろのある柔和な笑顔の男、アーサが、矯正監きょうせいかん曹長そうちょうを司る黒髪の男の職務室へと唐突にやって来た。

若くしてその職務に就いた黒髪の男が肘掛けに肘をつくと、くるりと椅子を半回転させた。

組んでいた脚を床につけ颯爽と立ち上がり、銀髪の男を赤い眼光で見据える。

「····あれはヴァン・ヘルシングの弱味だ。上手く使えば敵国を支配下に置くことだってできる。」

「何言ってんの、あんな強敵がこんな簡単に捕まるわけないでしょ??絶対何か企んでるって。」

黒髪の男と同期である銀髪の男は、階級こそ下だが長きに渡る腐れ縁。

と同時にライバルでもあった。

「·····何か企みがあるにせよあの女は今こちらの手中にある。あの地下牢からは逃げ出すこともできまい。」

「····だとしても奴は俺らの仲間を何人も殺ってるんだよ?さっさと公開処刑するのがあんたのいつものやり方じゃないの?」

「······」

「ねえ、非道なあんたでも女には弱かったりするわけぇ??」

「非番にわざわざ俺の元に来たのはそれを言うためか·····?」

「冗談。可愛い可愛い俺の弟に用があって来ただけよん?」

「····ではさっさと失せろ。」

「つれないなあ~。」

目尻を下げ冗談混じりに笑いを含んだ銀髪の男の笑顔はやがて不敵な笑みをはらんでいく。

漆の扉を両側に開き出て行く銀髪の男。

 
 絨毯の敷かれた廊下の壁を背もたれに彼を待ち構える人物がいた。


「アーチ。」

「アーサ、早かったね。もう曹長との話は終わったの?」

同じ銀髪の髪を左で一つに結び、口元にほくろのあるヴァンパイア。

兄であるアーサと弟であるアーチは双子の兄弟。

アーサは監獄の矯正監、アーチは部隊の軍曹の地位に就いていた。

地位や名誉にはさして興味がない代わりに2人が興をそそるもの、それは双子がライバル視する黒髪の男の感情を揺さぶることであった。


「で、どうだった地下牢の様子は?」

「そらもうアーチが作ってくれた小型カメラが大活躍だったよ。」

「ってことはアーサが睨んだ通りだったんだ?」

「まあね。」


 2人で機密情報部制御室の個室に入ると、アーサがパソコンのUSBメモリを取り出し、パソコンに取り付けた。

「ここは今日は貸し切りなの?」

「ああ、機密部の連中にはしばらくここを貸して貰うよう手は打っておいたよ。」

「さすがアーチ。軍曹やってるだけある。」

「あいつら戦闘現場には駆り出されたくないから僕の言うことには逆らえないんだよね~。」

パソコンから鮮明に地下牢の様子が映し出された。

暗いはずの場所にも関わらず、両手両足首を鎖で繋がれた黒いボンテージスーツを着た女が映し出されている。

「ねえ、このカメラどうやって取り付けたの?」

「簡単だよ。女を催眠ガスで眠らせてる間に取り付けたんだよ。」

「ふうん?
それって····カメラ取り付けただけ??」

「何度も女の身体にナイフ刺したくなったけどね。俺は理性の塊だからちゃんと我慢したよ。」

「へえ??」

「····でもなかなかいい身体してたよあの女。」

「あはは。理性の塊とかどの口が言うんだか!」

「胸焼けするくらい綺麗な身体でさ、さぞかし大事にされてきたんだろうね。ああいうの見るとぐちゃぐちゃに穢したくなる。」

アーサがパソコン画面に微かに興奮の表情を映すとアーチが同調するように座るアーサの肩に手を置いた。

パソコン画面のキーを一つ叩き、早送りをしていく。

暫くすると画面には女と3人の看守が映し出されていた。





 「おい、お前が本当にあのヴァン・ヘルシングの娘か?」

「·····」

一人の看守が問うが女は何も答えない。

「随分と綺麗な顔してんなあ。別に娘じゃなくても充分犯りたくなる顔だぜ。」

「上の奴に見つかったらどうすんだよ。やべえだろ。」

「今日の担当は矯正監じゃねえ、主任だぜ?あの髭豚の目ならいくらでも盗めるだろう。今だってスコッチ一杯でぐっすり夢の中だ。」

一人の看守が女の顎を手で掴み、その唇にキスしようとした。

しかし女は看守に向かって唾を吐く。

「っこの女!!!!」

頭に血が昇った男が女のスーツに手を掛けると、左右に強く引き裂いた。

「おい、破くのはまじいって!!」

「躾だよ躾!!それに破いた方が燃えんだろ?!」

中から白く絹のような肌の双丘が現れ、男たちが「おお~っ」と感嘆の声を上げた。

「躾」と言った男が何の躊躇いもなく女の白い胸を揉みしだき、その荒々しい手つきに女が顔をしかめる。

「や、止めて····」

か細くも初めてさえずる女の声に、3人の男達が興奮を隠しきれず喉元をごくりと鳴らす。

「やっべえ~。何だこのキレーな肌。たまんね。」

胸を揉みしだいていた男が、尖った乳首を指で潰すように摘まんだ。

「んっ」

小さく声を漏らした女が顔を背ける。

「乳首まで綺麗な色してる。そそり勃ってるのがたまんないねえ。」

別の男が鼻から女の甘い匂いを吸い込むと、反対の乳首にふっと息を吹き掛ける。

ぴくりと揺れる乳首の先端に、男が堪らず爪でカリカリと刺激を与えた。

その度に豊満な乳房が揺れ、刺激を与えていた男が口全体で乳房にむしゃぶり付いた。

「っ····」

舌先で乳首の先端をつつかれ唇全体で乳房を包まれ、反対の胸は別の男に強く揉みしだかれている。

双方の対になるような刺激に、女の下腹部が彼女の意思に反し大きく揺れた。

「もう血の匂いに我慢できねーよ!」

女の背後へと回った一人の男が耳元に息を吹きかけながら掌で女の臀部を撫で上げ、一本指で後ろの割れ目を擦り始めた。

「やあっっ」

3人の男が女を囲むようにその身体に牙を近付けていく。


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