紅の隻眼王子と銀灰の司書
王立図書館を預かる司書、フィン。
静謐を愛し、訪れる者を冷ややかにあしらうその姿は、戦の国イグナリアにあって異質な存在だった。
そんな彼の前に現れたのは、火竜騎士団を率いる隻眼の王子レオルド。
剣の申し子とも呼ばれる男は、しかし本を読もうとしない。
問い詰めれば、文字をほとんど知らぬことが露わになる。
皮肉を浴びせながらも、フィンはしぶしぶ彼に読み書きを教えることにした。
炎のように豪快な王子と、灰のように熱を失った司書。
交わらぬはずの二人のやり取りは、やがて互いの心に揺らぎを生み、王国の未来さえも左右していく。
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