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やっぱり兄妹っていいですよね
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結局。
俺は刹火と肩を並べてビニールプールに浸かっていた。
Tシャツとズボンを脱ぎ捨て、パンツ一丁。
はしたない格好だが、この場には妹である刹火しかいない。
先程の騒動で疲れてしまった俺は、プールに腰を下ろしたっきりぐでっとしてしまっていた。
「プールって言うより水風呂なんよな、サイズ感が。や、それよりも小さいか。高さが無いから上半身浸かれないし」
「まあ、子どもようだしね。上半身はあたしがかけたげる」
言って、刹火が水を手で掬って俺の上半身に浴びせる。
「こうして遊んでると、その……こ、恋人みたいかも?」
「や、全然。あ~微妙にぬるい……」
「……べし」
「ぶはっ! 顔にかけるなっ!」
「妹のご奉仕に文句付けるからだよ」
そう言って刹火はツーンとそっぽを向く。
けれどすぐに、口元に笑みを湛えて俺の肩に頭を預けてきた。
「やっぱり、楽しい」
「……なにが」
「お兄ちゃんとこうしてるのが。ずっとこうして二人でいれたらいいなぁ……なーんて」
冗談めかす刹火に、俺は曖昧な笑みを浮かべる。
「まあ、お前と過ごすのは俺も楽しいよ」
「わっ! お兄ちゃんがデレた!」
にやけ顔でからかってくる刹火。
俺は視線を逸らして舌打ちをした。
まあ、喧嘩をしようが悪態をつこうが、俺たちは兄妹。
一緒にいると、やはり心地良さを感じる。
きっとこの関係は未来永劫変わることがないのだろう。
俺は刹火と肩を並べてビニールプールに浸かっていた。
Tシャツとズボンを脱ぎ捨て、パンツ一丁。
はしたない格好だが、この場には妹である刹火しかいない。
先程の騒動で疲れてしまった俺は、プールに腰を下ろしたっきりぐでっとしてしまっていた。
「プールって言うより水風呂なんよな、サイズ感が。や、それよりも小さいか。高さが無いから上半身浸かれないし」
「まあ、子どもようだしね。上半身はあたしがかけたげる」
言って、刹火が水を手で掬って俺の上半身に浴びせる。
「こうして遊んでると、その……こ、恋人みたいかも?」
「や、全然。あ~微妙にぬるい……」
「……べし」
「ぶはっ! 顔にかけるなっ!」
「妹のご奉仕に文句付けるからだよ」
そう言って刹火はツーンとそっぽを向く。
けれどすぐに、口元に笑みを湛えて俺の肩に頭を預けてきた。
「やっぱり、楽しい」
「……なにが」
「お兄ちゃんとこうしてるのが。ずっとこうして二人でいれたらいいなぁ……なーんて」
冗談めかす刹火に、俺は曖昧な笑みを浮かべる。
「まあ、お前と過ごすのは俺も楽しいよ」
「わっ! お兄ちゃんがデレた!」
にやけ顔でからかってくる刹火。
俺は視線を逸らして舌打ちをした。
まあ、喧嘩をしようが悪態をつこうが、俺たちは兄妹。
一緒にいると、やはり心地良さを感じる。
きっとこの関係は未来永劫変わることがないのだろう。
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