【完結】新私の生きる道
三十八歳、ミユキ。
十年連れ添った夫の浮気をきっかけに、彼女は結婚生活を終わらせた。
子どもはいない。家も仕事も手放し、手元に残ったのは慰謝料と、静まり返った心だけ。
友人の厚意で身を寄せた温泉旅館で迎えた朝、現実に気づいた瞬間、笑いと涙が同時に溢れ出す。
観光地の賑わいにも馴染めず、部屋に戻った彼女は、古いボストンバッグの中から一枚の特急券を見つける。
十五年前、何気なく訪れた小さな町への切符。
なぜか今の自分に、ぴたりとはまる地名。
「ここで、もう一度やり直そう」
運命という名の特急券に身を委ね、彼女は知らない街へと向かう。
これは、新しい人生に踏み出す“おばさん”の、再出発の物語。
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