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第一章 婚約者からの冷遇
第三話 私と争って楽しいですか? 1
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そして今
私に婚約破棄を高らかに宣言した京平さん ┄ どうやらSNSではイケマッチョと言われてるらしい ┄ の腕にしがみついてるのは、私の従姉妹の珠梨愛さんだったの。
珠梨愛さんは、私の母の妹である美保子伯母様のご主人、三橋崇義叔父様の子供で、小さい頃からなにかと私を目の敵にしていた人。
その行動の真の理由を聞いた事はないけれど、多分それぞれの父親の立場のせいじゃないかなって思うのよね。
私の父も崇叔父様も会社経営をしているのだけれど、私が七歳の頃に崇叔父様の会社が不当たりを出してしまったらしいのね。そこで、私の父がその金額を補填した事で、伯父様の会社が七菱に吸収合併される事になってしまったの。
そんな事情なんて当時小学一年生だった私は少しも知らなかった訳なんだけど、
「パパの会社があんたのパパに取られた!だからじゅりはあんたの物を取ってやるんだら!覚悟なさい!!」
って宣言されたの。
それからだったかしら
珠梨愛さんが私の物や周りの人を取り始めたのは。
まず彼女が最初に奪ったのは、両親が私のお誕生日プレゼントに下さったフランス人形だったわ。
「貸して欲しい」
って言ったのに、いつまで待っても返して貰えなくて…。何度か「返して」って言ったら、結局ボロボロにされて戻って来たのよね。
あれはほんと悲しかったわ
一応父がフランスの職人さんにWebで状態を見せたら、「元どおりに直せる」って言って下さったから良かったのだけれど。
その件で、父が崇叔父様に文句を言って下さったおかげで、少しの間珠梨愛さんの嫌がらせは無くなったんだけど…でもまた暫くしたら再開したのよね。
私達は、同じ幼稚舎同じ小中一貫校に通っていたの。だから、珠梨愛さんが中等部を卒業されるまで、私が持っていた綺麗な物や可愛い物、高価な物を『借りる』という口実で奪っていったの。
綺麗なスカーフや髪留め、お友達とお揃いで買ったレースのリボン。それから母から譲り受けたピンクダイヤモンドのブローチ等を。
ブローチを奪われた頃は、私はもう中等部1年生だったの。この頃になると、私にも知恵が付いていて、しっかり対抗策を取っていたわ。
それはね。珠梨愛さんに奪われてしまっても大丈夫な様に、高価な物は予め貯めていたお小遣いで作って貰った模造品を身につけていたの。勿論ピンクダイヤモンドのブローチも模造品よ。本物はちゃんと然るべき所に保管してあるわ。
そうそう。またこの頃になると、珠梨愛さんは物だけじゃなくて、人も奪うようになったわね。
幼稚舎から仲が良かったお友達や、初等部でいつも一緒にいた子。
それから、珠梨愛さんがいつどこで知ったのか分からないんだけれど、私が初等部5年の時に、密かに憧れていた中等部1年の橘蒼先輩と、私が知らぬ間にお付き合いをしていたり、また私に「好きだ」と告白してくれた同級生の坂下辰徳君が、いつの間にか珠梨愛さんと付き合っていたりしたわ。
そして珠梨愛さんは、その事を、態々私の元に来て見せつけたり、SNSでこんなタイトルを書いて投稿してたりしたの。
〖地味な従姉妹からまた奪っちゃった〗
てね
私に婚約破棄を高らかに宣言した京平さん ┄ どうやらSNSではイケマッチョと言われてるらしい ┄ の腕にしがみついてるのは、私の従姉妹の珠梨愛さんだったの。
珠梨愛さんは、私の母の妹である美保子伯母様のご主人、三橋崇義叔父様の子供で、小さい頃からなにかと私を目の敵にしていた人。
その行動の真の理由を聞いた事はないけれど、多分それぞれの父親の立場のせいじゃないかなって思うのよね。
私の父も崇叔父様も会社経営をしているのだけれど、私が七歳の頃に崇叔父様の会社が不当たりを出してしまったらしいのね。そこで、私の父がその金額を補填した事で、伯父様の会社が七菱に吸収合併される事になってしまったの。
そんな事情なんて当時小学一年生だった私は少しも知らなかった訳なんだけど、
「パパの会社があんたのパパに取られた!だからじゅりはあんたの物を取ってやるんだら!覚悟なさい!!」
って宣言されたの。
それからだったかしら
珠梨愛さんが私の物や周りの人を取り始めたのは。
まず彼女が最初に奪ったのは、両親が私のお誕生日プレゼントに下さったフランス人形だったわ。
「貸して欲しい」
って言ったのに、いつまで待っても返して貰えなくて…。何度か「返して」って言ったら、結局ボロボロにされて戻って来たのよね。
あれはほんと悲しかったわ
一応父がフランスの職人さんにWebで状態を見せたら、「元どおりに直せる」って言って下さったから良かったのだけれど。
その件で、父が崇叔父様に文句を言って下さったおかげで、少しの間珠梨愛さんの嫌がらせは無くなったんだけど…でもまた暫くしたら再開したのよね。
私達は、同じ幼稚舎同じ小中一貫校に通っていたの。だから、珠梨愛さんが中等部を卒業されるまで、私が持っていた綺麗な物や可愛い物、高価な物を『借りる』という口実で奪っていったの。
綺麗なスカーフや髪留め、お友達とお揃いで買ったレースのリボン。それから母から譲り受けたピンクダイヤモンドのブローチ等を。
ブローチを奪われた頃は、私はもう中等部1年生だったの。この頃になると、私にも知恵が付いていて、しっかり対抗策を取っていたわ。
それはね。珠梨愛さんに奪われてしまっても大丈夫な様に、高価な物は予め貯めていたお小遣いで作って貰った模造品を身につけていたの。勿論ピンクダイヤモンドのブローチも模造品よ。本物はちゃんと然るべき所に保管してあるわ。
そうそう。またこの頃になると、珠梨愛さんは物だけじゃなくて、人も奪うようになったわね。
幼稚舎から仲が良かったお友達や、初等部でいつも一緒にいた子。
それから、珠梨愛さんがいつどこで知ったのか分からないんだけれど、私が初等部5年の時に、密かに憧れていた中等部1年の橘蒼先輩と、私が知らぬ間にお付き合いをしていたり、また私に「好きだ」と告白してくれた同級生の坂下辰徳君が、いつの間にか珠梨愛さんと付き合っていたりしたわ。
そして珠梨愛さんは、その事を、態々私の元に来て見せつけたり、SNSでこんなタイトルを書いて投稿してたりしたの。
〖地味な従姉妹からまた奪っちゃった〗
てね
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