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42.見つかった本
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兵士達の案内で、私とアグナヴァン様は先生が休んでいた部屋に来ていた。
私達は、周囲を見渡して本を探す。予想通りなら、この部屋の中に例の本があるはずなのである。
「フェルーナ殿、あれは……?」
「ええ……」
その本は思っていたよりも早く見つかった。
先生が休んでいたはずのベッドの近くにある机に、一冊の本が置いてあったのだ。
その本の装飾には見覚えがある。まず間違いなく、例の本だ。
「アグナヴァン様、少し離れていてください」
「大丈夫なのか?」
「ご心配なく……」
私は、ゆっくりと本の元に向かった。
この本が本当に動くかどうかはわからない。だが、どの道残しておく意味もない本だ。抵抗がないなら、そのまま破壊してしまおう。
「む……?」
「え……?」
そう思いながら私が魔力を集中して構えた瞬間、本に動きがあった。
本が動く。それは、普通ならあり得ないことだ。
例えば、誰かが魔法を使っていればそれもあり得る。だが、この場にはそのような魔力は感じられない。
「闇の魔力……」
感じられるのは、本から放たれている闇の魔力だけだ。
何の変哲もないように見える本から、私はしっかりとそれを感じている。
「フェルーナ殿!」
「アグナヴァン様、大丈夫です。やることは変わりません」
一瞬怯んだ私だったが、すぐに思い直した。
この本から闇の魔力を感じようが関係はない。私は、この本を消滅させるだけだ。
そう思いながら、私は本に魔法を当てた。すると、不思議なことが起こった。
『きゃああああああああ!』
「……何?」
突然、部屋に女性の叫び声が響いてきた。
それはどうやら、私の目の前にある本から出ている声のようだ。
「何が起こっているのだ?」
「それは、私にもわかりません……」
さらに私達の目の前では、変化が起こっていた。
本から靄のようなものが出てきたのである。
とりあえず、私は様子を見ることにした。何が起こるかわからないので、警戒しながら成り行きを見守ることにしたのだ。
『忌々しい……この私が!』
しばらく見守っていると、本から半透明な女性が現れた。
女性は、私と同じくらいの年齢に見える。
とはいえ、本から半透明の姿で出てきたということは、彼女は普通の人間であるとは思えない。この世のものではない存在のように思える。
『……』
そんな彼女は、鋭い目つきで私のことを睨みつけてきた。
それは、今の攻撃に対する憎しみだろうか。
いや、なんとなく違う気がする。彼女のその視線からは、何か深き因縁を感じるのだ。
私達は、周囲を見渡して本を探す。予想通りなら、この部屋の中に例の本があるはずなのである。
「フェルーナ殿、あれは……?」
「ええ……」
その本は思っていたよりも早く見つかった。
先生が休んでいたはずのベッドの近くにある机に、一冊の本が置いてあったのだ。
その本の装飾には見覚えがある。まず間違いなく、例の本だ。
「アグナヴァン様、少し離れていてください」
「大丈夫なのか?」
「ご心配なく……」
私は、ゆっくりと本の元に向かった。
この本が本当に動くかどうかはわからない。だが、どの道残しておく意味もない本だ。抵抗がないなら、そのまま破壊してしまおう。
「む……?」
「え……?」
そう思いながら私が魔力を集中して構えた瞬間、本に動きがあった。
本が動く。それは、普通ならあり得ないことだ。
例えば、誰かが魔法を使っていればそれもあり得る。だが、この場にはそのような魔力は感じられない。
「闇の魔力……」
感じられるのは、本から放たれている闇の魔力だけだ。
何の変哲もないように見える本から、私はしっかりとそれを感じている。
「フェルーナ殿!」
「アグナヴァン様、大丈夫です。やることは変わりません」
一瞬怯んだ私だったが、すぐに思い直した。
この本から闇の魔力を感じようが関係はない。私は、この本を消滅させるだけだ。
そう思いながら、私は本に魔法を当てた。すると、不思議なことが起こった。
『きゃああああああああ!』
「……何?」
突然、部屋に女性の叫び声が響いてきた。
それはどうやら、私の目の前にある本から出ている声のようだ。
「何が起こっているのだ?」
「それは、私にもわかりません……」
さらに私達の目の前では、変化が起こっていた。
本から靄のようなものが出てきたのである。
とりあえず、私は様子を見ることにした。何が起こるかわからないので、警戒しながら成り行きを見守ることにしたのだ。
『忌々しい……この私が!』
しばらく見守っていると、本から半透明な女性が現れた。
女性は、私と同じくらいの年齢に見える。
とはいえ、本から半透明の姿で出てきたということは、彼女は普通の人間であるとは思えない。この世のものではない存在のように思える。
『……』
そんな彼女は、鋭い目つきで私のことを睨みつけてきた。
それは、今の攻撃に対する憎しみだろうか。
いや、なんとなく違う気がする。彼女のその視線からは、何か深き因縁を感じるのだ。
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