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惚気の次は宣言
しおりを挟む試しの通信だったはずが、ちょっと切り出しただけで、アイオロスの惚気の話へと変わってしまった。さんざん惚気を聞かされて、流石のコルテオも苦笑いだ。それはそうと、思い出した事があり、アイオロスに報告する。
「アイオロス、随分と幸せそうで何よりだ」
「えぇ、幸せすぎて怖いくらいです」
「ふっ、そうか。それはそうと、こっちも実はな・・・」
辺境伯令嬢であるエルサに、マクシミリオンが恋をしたであろうという事。必死にアプローチを繰り返しているがことごとく破れている事を話していった。
「そうなんですね・・・マクシミリオン様が」
「あぁ、随分と惚れ込んだ様子でね。面と向かって、堂々と、何度も好意を示しているんだが、女性というのは中々なびいてはくれないものなんだね」
それからも、副騎士団長のソルディオが牽制しているが、マクシミリオンにはきいていない事。そしてその、副騎士団長のソルディオもあまり相手にはされていない事。コルテオは目の前で見たことをアイオロスに話していった。
「じゃあ、ウィルフレッドにもよろしくね」
「はい、伝えておきます・・・あの・・・」
「ん?どうした?」
「マクシミリオン様の事もお伝えしたほうがいいのでしょうか?」
「ん・・・・・そうだね。何かあったら、知らなかったというのが一番困るからね。一応僕はマクシミリオン殿の監視役でもある。だったら主君にも報告するべきかなって思うね・・・今は・・・陛下が主君というわけではないし、ウィルフレッドにでいいんじゃないかな?静観してていいなら見守るよと」
「承知しました。引き続き、監視の方もよろしくお願いします」
「うん、わかったよ。そうだ、アイオロス、結婚式には呼んでくれよ?」
「えぇ、もちろんです・・・あぁ、ですが、無理なこともありますよ?」
「無理なこと?どういう事だい?」
一拍おいてアイオロスは一気に話し出した。
「ミリアのウエディングドレス姿はきっと可愛らしくて、美しくて、きっと天使、いや、女神様が降臨されたかと思うほどの神々しさだと思うんです。だから、いくらミリアが可愛いから、美しいからと、他に渡すつもりはありません。ですから、コルテオ様がミリアが欲しいと言っても無理な話です。それだけは譲れません。ミリアは、俺の大事な人なんです。絶対に渡しません!」
一体なんの宣言をされたんだ?とコルテオはクスクス笑っていた。
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