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私の太陽、俺の花

俺も一緒に泣くよ

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シルフィは叫びながら地面に崩れるように座り込んだ。ジェームスも姿勢を落とすとそっとシルフィを抱きしめる。


「ブルーノ公爵子息か・・・」

「・・・うっ・・・うっ・・・」

「シルフィ、そんなにブルーノ公爵子息が好きだったのか」

「・・・」

「なぁ・・・あいつじゃないとダメか?」

「・・・」

「俺じゃ・・・ダメか?」

「・・・」


少し落ち着いてきたシルフィだが、何も答えない。


「じゃあ、俺も泣いていいか?」

「?」

「一緒に泣くよ」

「ジェームス?」

「シルフィはブルーノ公爵子息が好き」

「・・・」

「だから俺も泣く」

「どうして・・・?」

「どうしてって・・・俺はシルフィに選ばれなかった。俺も泣く。でも、俺は・・・諦めない」

「・・・ジェームス・・・」


ジェームスは目の赤くなったシルフィを見つめる。


「俺はシルフィに選ばれなくても諦めない。いや、かなり堪えるが・・・でも、諦めきれない!俺はシルフィの笑顔に惚れたんだ。シルフィにはいつも笑っていてもらいたい。こんなにシルフィを悲しませるばかりの奴が、なんでシルフィに好かれるんだ・・・納得がいかない。シルフィはこんなにも可愛いのに、あいつ目がおかしいのか?シルフィはものすごく優しいのに気付いてないのか?シルフィはこんな俺でも褒めてくれるんだ、褒められたら心が温かくなるのに、あいつは知らないのか?シルフィは」

「まだあるの!?」

「あるぞ?もっと言おうか?」

「もう、いいわよ!」


シルフィは恥ずかしさで赤面しそっぽを向く。


「ほら、こんな表情も可愛いんだ。あいつ知らないなんて損してるな」


ジェームスはもう一度シルフィを抱きしめた。


「どんなシルフィも可愛い。愛おしい。なのに、好かれるのは・・・その目を向けてもらえるのはあいつだ・・・悔しい・・・羨ましい・・・」


そう言うと、シルフィをそっと離す。


「自信持て!シルフィはいい女だぞ!存在しているだけで俺のオアシスなんだ。あいつの為に必死になって自分を偽ってもそれは本当のシルフィじゃない。ありのままでいい。それで好きになってもらえないなら、縋る必要あるのか?」


ジェームスはシルフィの頭を撫でた。


「目、真っ赤だぞ?落ち着いたら戻れよ?」


そう言うと、ジェームスは立ち去って行った。セシルもジェームスも、兄弟揃って言いたい事だけ言って去って行く。似たもの同士だ。しかし、まっすぐな兄弟の言葉は心にしっかりと響くらしい。





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次回

私、恋をしたみたいですわ




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