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密着!地方分隊ニジュメヨジ!

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『密着!地方分隊ニジュメヨジ!』

「あ、シェルたん、シェルたん。今日のニジュメヨジ、第7隊のひとたちが出るんだって!」
第7隊と言えば、この前の磔祭りの時に出会ったみなさん。警備にきてくれたり、非番だからと祭りに参加しにきてくれたりとお祭りでは一緒に盛り上がったのだ。

『さてさて本日は~、密着する地方分隊の第7隊の駐屯地にお邪魔しています~っ!!』
この番組は日本で言う警察密着番組である。王都で活躍する第3隊密着シリーズや、こういった地方分隊を専門に巡って取材する密着シリーズがある。

因みに、一番上のニジュメヨジは誤字ではない。ニジュメヨジとは騎士団の象徴のことである。1日の総合時間じゃないんだよ。……なにこの引っ掛けー。

「てかシェルたん、ニジュメヨジって何?」
俺は現役騎士団第6隊長に密着リポート。因みに身体ももちろん密着している。シェルたんはあまりテレビに興味がないが、俺がこう言う騎士団密着などの番組が好きなので、一緒にてくれるのだ。

……てか、テレビあるんだよ、この世界。プレナイト公爵家にいた頃はほぼ見てなかったけど、公爵領の邸ではたまに観たなぁ。懐かしい。そしてこっちに嫁いでからはよく見るようになった。だって……密着モノ好きなんだもん~~っ!

前世の記憶が戻ってからこう言う密着モノめっちゃ見てる~っ!

使用人たちも気を遣って録画してくれるし!

今は休暇もちゃんとあるから、休みの日にお菓子とジュース飲み食いしながら観まくり。
シェルたんと休みが合えば一緒に楽しむ。今日は週末、明日は2人ともお休みなので存分に観まくれる~っ!

「ニジュメヨジか?あぁ、花の名だ。騎士団の盾や旗にあしらわれている」
「あぁ、花」

「これだな。これにも刺繍してある」
シェルたんがマジックボックスから取り出したのはハンカチであった。

「へぇ、どんな花なの?」
見た目は紫陽花のように小花がたくさんついていてかわいらしい。

「食肉花だ」
「え?」

「近づくと噛み付いてくるから、ユウェルたんは近づいちゃダメだぞ?無論、私のユウェルたんを花の蜜で誘えばニジュメヨジの命はないが……」
何その恐ろしい花ーっ!?そしてしれっと騎士団の象徴に恐いこと言ったぁーっ!頼まれても近付きたくない!そんな花ぁっ!

「いや、何でそんな花が騎士団の象徴なのぉっ!」
「食肉花のように犯人を逃がさない、と言う意味を込めている」
割と登用理由はまともっ!でももっと騎士団の気高いイメージの花とかあったはずなのになぜそこ行ったぁっ!!

「なお、第6隊では栽培も行っている」
「え、何故?」
そんな恐ろしい花をぉっ!騎士団の象徴だからってぇっ!?

「犯人を取り逃がしたものたちへの罰に、30分耐久レースやってる」
「ひいぃっ!?食われるじゃんっ!それ花に食べられちゃうっ!」

「問題ない。あやつらが食うのは小さな虫などだ。人間を噛んだ場合はヤブ蚊に刺された程度の痛みと痒みが襲う」
「地味に嫌ぁっ!あれ、でもチ○ポジは?」
チ○ポジ罰ゲームもやったじゃん。

「あれは二度同じ失態を犯したからだ。一度目はこのニジュメヨジ罰ゲームを下している」
「そ、そう……」
ヤブ蚊の上にチ○ポジ、おちりこんにちわ罰ゲームとか……騎士団のひとたちも大変だなぁ……。
てか、罰ゲームなんかいっ!!

『早速!早速出動要請です!何と今回は、指名手配犯がプレナイト公爵領に紛れ込んだとのこと!現役プレナイト公爵領では伝統の祭りの最中らしく、一般民衆たちへの被害が懸念されます!今回は王都から騎士団を振り切り逃亡したという重罪人!ここは第7隊長自ら小隊を率いて向かうようです!我々も、早速同行しましょう!』

緊迫の展開。因みにこの世界の主な交通機関は馬、馬車、空飛ぶ魔法使いと、飛龍。ついでに騎士団にも飛龍専門部隊がおり、第4隊が担当しているそうだ。

そして第7隊の現地直行部隊は馬。リポーターのお姉さんは華麗に馬に飛び乗り追っていく。この密着モノ、リポーターのお姉さんやお兄さんが華麗に馬を乗りこなすところも気に入っている。

実際観るとカッコいいの何の。因みにカメラは魔動カメラで手乗りサイズのものから、魔法使いカメラマンが空中に浮くように操るものまであり、カメラマンもまた、華麗に馬を乗りこなす。

……カッコよすぎない?

そして取材班が第7隊長たちの馬列にに続いていく。そして彼らが現地で見たものとは!?

『誰かが磔にされているようです。指名手配犯は現地で居合わせた別部隊の騎士団員が民衆と共に既に拘束したとのことですが、あれでしょうか?』
馬から降りたリポーターのお姉さんのリポートと共にカメラが映したのはーー

磔にされた……アップルプルフェールッ!!

「あはははははっ!」
思わず笑ってしまった。これは大爆笑。お土産に持って帰ってきたリンゴサイダーを飲みながら大爆笑。

「うむ、プレナイトワインもなかなかうまいな」
因みにシェルたんはワインを楽しんでいる。チーズや桃缶、料理長が用意してくれたおつまみ料理をつまみながらもうばっくしょうっ!

近付いたリポーターも気が付いたらしい。

「え?あれ、アップフェル元殿下では?今はプレナイト公爵になったと言われて、社交界で爪弾きにされた上に陛下にぶあっかもぉんされてるという、元殿下!?」
リポーターのお姉さん詳しいっ!さっすが報道のプロ!

『あ、指名手配犯、あっち?あっちなの?どうやらアップフェル元殿下のことではないようです!では何故磔になっているのか、興味深いところですが、まずは第7隊長さまの元へ向かいましょう!』
そしてアップフェルは、暫く放置された。




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