献身
時は大正時代から昭和初期でございます。身寄りのない私が里子として引き取られたのは、伊豆の国の山奥に佇む洋館でございました。
※男色的な表現あり
***
旦那様は不幸なお方です。
大変な美男でありましたが、両の足を悪くしてからは、そのご尊顔は不機嫌が常で、一日中書斎に閉じ籠るようになりました。
そんな旦那様の僅かなサインに気がつけるのは、私ぐらいのものでしょう。
「手水ですか」
恥じるように頬を染めて頷く美男に、私はどうしようもなく心が乱されてしまうのです。
***
つぶやき短編集
『不機嫌』×『サイン』より
朗読動画あります。
https://twitter.com/nao83466377/status/1484468214545338375?t=GKBY63poqZLHoA8N9-lmxg&s=19
表紙作成は、羽多奈緒さん(@hata_nao_)です。
ありがとうございます。
※男色的な表現あり
***
旦那様は不幸なお方です。
大変な美男でありましたが、両の足を悪くしてからは、そのご尊顔は不機嫌が常で、一日中書斎に閉じ籠るようになりました。
そんな旦那様の僅かなサインに気がつけるのは、私ぐらいのものでしょう。
「手水ですか」
恥じるように頬を染めて頷く美男に、私はどうしようもなく心が乱されてしまうのです。
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朗読動画あります。
https://twitter.com/nao83466377/status/1484468214545338375?t=GKBY63poqZLHoA8N9-lmxg&s=19
表紙作成は、羽多奈緒さん(@hata_nao_)です。
ありがとうございます。
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「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
完結を何度か読み返し、余韻に浸り。
胸がいっぱい過ぎて、今頃ようやく感想を書く余裕が出てきたので、筆を取りました。
まずは、長らくの連載、お疲れ様でした!
毎回本当にワクワクソワソワしながら読ませて頂きました。
物語序盤から決して幸せいっぱいではなかったのですが、みるみるうちに手の内にあったものを当たり前にあったものが剥ぎ取られ、真実を知らされて突き落とされ、皮を剥がれ。
ずっとそばに居るのに、考えの読めない直之様。
それでも主人に献身的に仕える弘の美しい愛……。
なのに何故この二人はここまで不幸なめにばかり遭うのかと、不憫に思っていたのですが。
最後の最後で「あぁ……そういうことか」としっくり来て、サイコパスじみたゾゾゾ……を感じました(語彙力なくてすみませんw)。
実はいくつか、最後のオチを予想しながら読んでいたのですが、そのどれにも当てはまらなくて。
嬉しさと驚きで、naoさんという作家さんの懐の深さと、期待を裏切らない美しい終わり方に改めて感心しました。
naoさんの書かれる作品の仄暗い雰囲気がとても好きです。
読むのが遅くてまだ全部制覇は出来ていないのですが、他の作品も今後ゆっくり読ませて頂きますね(*^^*)
改めまして、素敵な作品を読ませてくださり、ありがとうございました«٩(*´ ꒳ `*)۶»
唯月さん、最後までお読みいただき……いえ、何度も読み返していただき、ありがとうございました!
長く更新を停止してしまったりと、お待たせしてまうこともありましたが、温かく応援していただき、大変励みになりました。
幸の薄い主人と、献身的に仕える下男の行く末を見守っていただき、嬉しく思います。
予想されたラストではなかったとのこと、いい意味で期待を裏切れたのならよかったです!
物語はおしまいになりましたが、この先の二人がどうなっていくのか、少しでも思いを馳せていただけたら幸いです。
また、別の作品でもお会いできたら嬉しいです。
何度も感想をいただき、本当にありがとうございました!
ご感想ありがとうございます!
遂に最終章ということもあり、物語りも大詰めになりましたね。
タイトルは物語りの大きなテーマとしてつけているので、感じ取っていただけて嬉しいです。
ご期待されてるラストになるかわかりませんが、最後まで見守っていただけると幸いです。
唯さん、ご感想ありがとうございます。
どうしても書きたかったシーンの一つだったので、いろいろ汲み取っていただけて嬉しいです。
なかなか腹の内が見えない直之様。
一歩進んで二歩下がる……みたいな二人の関係ですが、最後まで見守っていただけたら幸いです。
唯月さん、連載当初からご感想&応援ありがとうございます。
鬱展開すぎて申し訳ありません。
どうにも心もとない若者二人が取り残される状況になってしまいました。
いや、奥様もふわふわしてましたが……。
じつは、ようやく物語りも本当に書きたいところに差し掛かってきたという感じです。気合いを入れ直して、続きの方を書いていきますね!
唯月さん、ご感想ありがとうございます。
三者三様の胸の内に、思いを馳せていただけて嬉しいです!
これからどうなってしまうのか……
休載のタイミングがよくなかったかもしれませんね。
急な休載になってしまい、申し訳ありません。
なるべく早く再開できるように努めますので、気長にお待ちいただければ幸いです。
こちらにきちんとした感想を…
一話から一気に読んできました。
そして今回のお話は心細さがゆえにおかしてしまった行為なのかな…と。
それを罪だと思ってしまい、自身を責める姿が読んでいてとても胸が苦しく、また時代故に仕方がない言葉なのかな…とも。
一話から文体に一切ズレがなく、早く次の話をと一気に読んでしまいました。
素敵な作品をありがとうございます。
朧月さん、一気読みありがとうございます!
本作は大正時代~昭和初期を舞台にしていることもあり、令和の時代とは違う価値観を描きたいという思いがあります。
そのせいで弘が苦しい思いをしてしまう部分もあるのですが…
朧月さんに弘の境遇や心情を察して寄り添っていただけて、作者として本当にありがたいです。
また、今回、語りかけるような敬語で書いていて、特殊な文体だと思うのですが違和感なく読んでいただけて安堵しました。
かなり鬱々としたお話なのでしんどくなる部分もあるかと思いますが、最後までお付き合いいただければと幸いです。
最後になりますが、温かな感想ありがとうございました。
唯月さん、ご感想ありがとうございます。
どろどろの昼ドラになってきましたね…。
奥様と使用人…響きがもう…
本作は、もともとは時系列通りにストーリー展開していたものを少し構成を変えて、現在(直之様が入院した場面)から回想していくように手直しをしています。
少し読者さんからするとやや複雑な構成かもしれないなぁ…と不安な部分もあったんですが、楽しんでいただけているようで嬉しいです。
あまり意識していなかったんですが、情報を意図的に隠したり、ポロっと出したりというのは確かに私の手癖のような気がします。朧気ながら少しずつ全体像が見えていくような?
引き続き、朝倉家の行く末を見守っていただけばと思います。
いつも温かな応援、ありがとうございます。
唯月さん、ありがとうございます。
思春期編は、彼らの性に関する価値観に触れたお話になっています。
私の描きたいことを上手く汲み取っていただけているようで嬉しいです。
この先も弘と直之様を見守っていただければと思います。
次回から新章です。
お楽しみに~!!
弘がモテ出したことに対する坊っちゃんの感情、そして、弘が己に言い寄る女性に抱く嫌悪のようなもの。。。
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伏線の張り方が凄くお上手で、とても練られたストーリーなのだなぁと感じるとともに、作者さんの頭の良さが更新のたびに感じられて、ハッとさせられる日々です。
更新の度、本当にわくわくしています。続きが楽しみです!
お褒めのお言葉ありがとうございます!
伏線……回収!というほど、高度なものではないのですが、登場人物は描いていても描いていなくても、出生から(作中の)現在までのエピソードといいますか、人格形成を考える癖があります。
それが良い意味で作用したのかもしれないですね。
ご感想、いつも本当に励みになっています!
ありがとうございます!
ここにきて、衝撃の真実……! いや、薄々は分かっていましたが、切ない。
直之様……そしてそれをなんとか慰めたい弘の心情想像し、あまりの切なさに涙してしまいました。
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毎回ドラマティックな展開で、本当にBLの枠を超えて人間の深い愛を描くドラマのような作品です……。
作品のまとう仄暗い雰囲気がとても好きです。
傍目から見ると恵まれている直之様の影の部分ですね。
弘の内面を感じ取っていただけて感激です。
自分ではどうしようもないことに、葛藤する青少年が愛しいです。
華やかなようで鬱々としているこの時代の人々の営みも描けたらなぁなんて思っています。
もったいないお言葉の数々、ありがとうございます!
敬語口調の語りがとても新鮮で、文章にそこはかとない色気があります。
主人公の思考や微妙な心情の変化の課程がとても丁寧に描かれており、言葉のチョイスなどにも作者様の抜群なセンスの良さを感じました。
とても素敵な作品ですね。更新楽しみにしております(^^)
素敵なご感想ありがとうございます。
少し取っつきにくい文体とは思いますが、お手にとっていただけて光栄です。
色気がある、心情を丁寧に~との勿体ないお言葉、嬉しすぎて、何度も読み返してにやけてしまいます!
更新はゆっくりなので、お待たせすることもあるかと存じますが、最期までお付き合いいただけると幸いです。
表紙も新しくなり素敵です。
キラキラ星の歌に、きちんと注釈もついていて素晴らしい!
表紙はFAで羽多奈緒さんに作っていただきました。世界観に合わせていただけて嬉しいです。
キラキラ星は、大正時代に英語教育として入ってきた詩ですね。
私なりに和訳させていただきました。
とても好きなお話が、こちらで読めるようになって嬉しいです。
なろうに連載していた時とは、構成を変えていらっしゃるということで、どんな風になるのか楽しみです。
構成以外の部分で、前より読みやすくなった気がします。どこが変わったかはわからないですが。
続きが楽しみです。
他サイトからありがとうございます。
読みやすくなったというお言葉嬉しいです。
ストーリーを少しでも魅力的にできたらと思い、構成を変更しました。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。