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僕の光

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「ねえ、ルナ。ルナはお母さんが大好きよね………。お母さん、困ってるの。また二人で頑張りましょう?夏目太陽なんてメじゃないわ!」

「あ、あ…………あ」


体温が下がる。

息が苦しい。


冷たい水底にいるみたい…………





「離れてください!」



気が遠くなるのを、引き上げる光。


温かい。



太陽。


「夏目太陽!なんであなたが?なんで抱きしめているのよ、離れなさいよ!私はこの子の母親よ!」

「母親?!」



ああ、太陽だ。

僕の光。

太陽がいるから、僕は息ができる。



「香月の母親は別の人だ!」

「夏目さん。香月は養子なんだ。こいつは、香月をボロボロにして捨てたんだ。香月が無表情になったのは、こいつと父親のせいなんだ!」

ああ、兄さん。怒ってくれる。



「酷いわ!ボロボロにしたなんて。躾よ!ねえ、ルナ。そうでしょ?」


ちがう。

ちがう。



「ルナ。そう、か………。香月は雪村ルナだったんだね。」


太陽の声。

どうして泣いてるの?

どうして抱きしめてくれるの?



「お引き取りください。秋口、救急車と警察を!」

「呼んだよ。もうすぐ着くはず。」


「けいさつ?!」




「大丈夫。俺が、俺たちが守るから。」





警察と救急車のサイレン。

驚いて出てきた高齢のマスター。


後頭部から血を流して倒れているアポロを救急車に乗せて、そして女は警察が連れて行った。


入道アポロへの傷害罪の現行犯。




彼は香月の従弟で、香月を女から守ろうとしていた。
俺たちで香月と彼を守り、女は2度と彼らに近づけないように………。


その道で有名な弁護士に依頼したのだった。









「香月……。俺、香月が好きだ。ずっと、子どもの頃から。俺は、雪村ルナが好きだった。だから、戸惑ってた時もあった。ルナが好きなのにどうして香月に惹かれるんだろうって。今は香月が好きなんだって、最近思うようになった。同じ人に2回も恋をしたんだ。」

「ほんとう…………?ぼくも、太陽がすき!」


太陽の首に香月の腕が回る。

なんだか遠回りをしたみたいだ。

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