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9.守るためだったのに※

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 あれから時は過ぎて僕とベルの関係は、食事の無かった…僕がまだベルをサキュバスの先祖返りと知らなかった頃に戻っていた。ベルを押し倒して泣かせてしまった日から、僕はベルと距離をおいた。じゃなきゃ、ベルを僕がもっと傷つけてしまいそうだったから。
 僕は、ベルが他の使用人に抱かれているのを見て見ぬふりをした。ベルが選んだ道だ…食事もベルの気の向くままでいい。
 ベルがそれでいいと納得しているなら僕が手を差し伸べるべきじゃなかった。いいや、僕は最初から自分のためにベルと食事関係を持った。

 僕は今度こそ、最初からベルとの関係をやり直したいと思っている。





なのに僕は今、ベル以外の人間に…僕と婚約関係を結びに来た女に体の関係を迫られていた。



「_…家の者に既成事実でも作れと言われたのですか」




「いいえ?…ですけど今の時代、体の関係から始まる恋もございましょう?………クレマ様ははじめてですか…それとも体を繋げたことがお有りでして?…18歳なのですからキスぐらいは経験してそうですわよね」



 体にかかる女の重たさと香水のキツさに虫唾が走る。僕が女を蹴落とそうとした時、部屋の扉が開きガラスが割れた音がした。音のした方向に目を向けるとベルが顔色を蒼白にして佇んでいた。
 



「…申し訳ございません。直ぐに出ていきますので」



ベルはそのまま部屋から出ていった。


(見られた…)




「________たッ…ベルに…見られた」




「……え?」




 僕は僕の体にのしかかる女を片手で乱暴に押しのけて退かした。



「…貴方が男に体を迫る淫乱な女だと思いませんでしたよ。これが周りにも知られたらどんなことを思われるでしょうかね?…白い目で見られ、貴族の社交界では話のネタにされ人前に出れなくなりますかね?」



僕の言葉に女性が震え始める。そんな弱い覚悟で僕に体の関係を迫ったのなら、最初からそんな馬鹿げたことしなければ良かったのに。大方、何も考えてなかったのだろう…。



「そんなに震えないで下さい。…大丈夫、そんな貴方を受け入れてくれる方は多いですよ? ……………第二夫人か愛人としてね」




 女にはそのまま帰ってもらった。婚約も最初から断るつもりだった。なのに、あの女はお仕掛けてきた。本当に常識も知らぬ者が世の中に、貴族の中にもいるものだ。

















バスタブでいつものようにベルに髪の毛を洗い流してもらっていると、ベルが昼間のことについて謝ってきた。



「…………昼間は申し訳ありませんでした」





「…別に、あのさッ__________」




 僕が振り返った時、そのはずみでベルの持っていたお湯の入った桶がベルの体にかかる。そのせいで、ベルの着ているブラウスがお湯に濡れてベルの体を透けさせて見せた。
 僕はベルのブラウスが透けたことよりも、ベルの体の細さに驚くことになる。

ブラウスがベルの隠されていた細い体に張り付いて、本当の痩せこけたベルの体を僕の瞳に包み隠さずに映した。



「__________…なんでッ…、なんで、こんなに痩せてるんだッ!」





「ッ」




 僕の言葉にベルは顔色を変えて、急いで立ち上がりお風呂場から出てこうとした。僕はバスタブから体を乗り出しベルの手を掴んで思いっきり僕の方へ引っ張った。

ベルの体は簡単に僕の方向に、バスタブに倒れてくる。僕はそのままバスタブの中からベルを抱きとめた。





「…………もしかして、食事…取ってなかったの?………ねぇ、なんでこんなに力も弱くなってるの」





「……食事は毎日取っています」





「…………そう、なのにこんなにも痩せてるんだ…。なんのために僕がベルから、食事の関係を終わらせたと思ってるの…」





守っていたつもりが、僕はベルをこんなにも痩せ細らせてしまった。それにも僕は気づけなかった。それは、僕がなるべくベルを見ようとしていなかったからだ…。ベルを見ていると体が無意識にでも反応してしまいそうになるから。
 もっと早く気づけたはずなのに…僕は僕の弱さに悔やむ。これは、起こるべくして起こったような事だった。



 僕はバスタブから上がり、濡たベルを横抱きにするとともにベットに向かった。ベルの体は軽かった…昼間の女よりも。
 ベットにゆっくりとベルをおろし、ベルの濡た服を丁寧に脱がせていく。…ベルは大人しく僕に従っていた。ベルの目は僕を見ているようで見ていない…僕を通して何処か遠くを見ているようだった。
 ベルに乾いた毛布を被せ、ベルに着させる僕の服を探す。



 そして、僕がベルに僕の服を着させる。僕の服は思ったよりもベルには大きくてブカブカになった。服を着させ終わると、ベルの口から小さな声で、




「……………………お腹が空きました」






「食事にしようか…ベル」





ベルは何も言わずに僕の言葉に小さく頷いた。
 ベルの唇に優しく指先で触れる…。ベルの唇にはカサカサに乾燥していた。こんなことにも僕は気づけなかった。

 弱々しいベルに、僕の大きくなってしまった生殖器を咥えさせることは今は、酷なことだと思えた。だから、僕は自身の手で2年ぶりになる自慰行為をした。ベルに見られてることで興奮したのか感簡単にイけた。
 手についた精子をベルの口の中に含ませる。僕の指に吸い付くベルは、少し僕にとっては目に毒だった。




「…もっと食べれる?」




「…………………………もっと」





次はベルから僕の生殖器に舌を這わせ始めた。
 ベルは相当お腹が空いていたのか見たことないくらいに一生懸命に僕の生殖器を舐める。


「…んッ」 



僕は優しくベルの頭を撫でながら、ベルが僕の生殖器に舌を這わせるのを見守った。
 これは、ベルのための食事。僕はベルのやりたいようにさせた。

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