役立たずのオメガ王子は暴君に嫁がされる
「貴方の元へ嫁ぎたい」
──それが、夫についた最初の嘘だった。
この結婚は、ひとつの嘘から始まった。
発情期が来ないオメガとして「役立たず」の烙印を押され、王城の塔に幽閉されていたルミナリア第一王子・セレン。ある日、行き先すら知らされないまま北の軍事国家グランディオへ送られた彼を待っていたのは、敵味方から恐れられる第二王子・リヴァルとの婚礼だった。
しかも、本来リヴァルへ嫁ぐはずだったのは妹の第四王女。相手が自分ではなかったと知ったセレンは、この婚姻が破談になれば国同士の関係まで崩れると恐れ、咄嗟に告げる。
「私が望んで、貴方の元へ嫁いできたのです」
もちろん、嘘だった。
ところが「誰が相手でも構わない」と言い放ったリヴァルは、噂に聞く暴君とはどこか違っていた。セレンに無理を強いることも、役立たずと蔑むこともない。それどころか誰にも必要とされないと思っていたセレンの魔法は、リヴァルと共に戦うことで思いがけない力を発揮していく。
食事を共にし、剣を教わり、戦場で互いを守るうち、形だけだった夫婦の距離も少しずつ変わっていく。
国のためなら、自分などどうなってもいいと思っていたセレン。婚姻など誰としても同じだと思っていたリヴァル。
やがて二人は次第に仲を深め、そして気付く。
最初は嘘だった「貴方の元へ嫁ぎたい」という言葉が、いつの間にかセレン自身の願いになっていたことを。
同時に、リヴァルもまた、セレンを手放しがたくなっていたことを。
けれどそんなある時、セレンのついた必死の嘘が、二人を引き裂く。
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https://fujossy.jp/books/32037
お借りした表紙素材
・ina様
https://www.pixiv.net/artworks/118203553
・きっち様
https://www.pixiv.net/artworks/112188714
・ノファテス様
https://www.pixiv.net/artworks/140205111
✦︎…性描写アリ
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同時に、リヴァルもまた、セレンを手放しがたくなっていたことを。
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