元婚約者様へ――あなたは泣き叫んでいるようですが、私はとても幸せです。
侯爵令嬢の私は、婚約者である騎士アラン様との結婚を夢見ていた。
けれど彼は、「平凡な令嬢は団長の妻にふさわしくない」と、私を捨ててより高位の令嬢を選ぶ。
絶望に暮れた私が、旅の道中で出会ったのは、国中から恐れられる魔導王様だった。
「君は決して平凡なんかじゃない」
誰も知らない優しい笑顔で、私を大切に扱ってくれる彼。やがて私たちは夫婦になり、数年後。
政争で窮地に陥ったアラン様が、助けを求めて城にやってくる。
玉座の横で微笑む私を見て愕然とする彼に、魔導王様は冷たく一言。
「我が妃を泣かせた罪、覚悟はあるな」
――ああ、アラン様。あなたに捨てられたおかげで、私はこんなに幸せになりました。心から、どうぞお幸せに。
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玉座の横で微笑む私を見て愕然とする彼に、魔導王様は冷たく一言。
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