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28.進展 ジークヴァルトside
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「ジークヴァルト様…お耳に入れたい事が…」
滞在しているホテルの部屋で日本支社の資料を見ていたらタチバナが来て何が言いたげだ。タチバナは基本表情が無くいつも冷静で的確に職務をこなす。彼の眉間の皺に一抹の不安を感じながら手を止めると
「本宅のジョーイから連絡が入りランディ様が日本行の航空券を用意されているとの事。近々来日されるようです。調べましたが仕事で日本に来る必要はなさそうで、恐らくフローラ様絡みではないかと…」
「母上か…厄介だな。やっと咲さんとの距離が縮まり心を開いてくれているのに!
タチバナ。ランディの予定を調べ奴が滞在中はここを離れ日本支社の近くにホテルに滞在する。絶対にランディを咲さんに接触させるな」
「畏まりました。すぐ手配いたします」
溜息を吐きソファーに深く座りコーヒーを飲む。『実に厄介だ』と呟き頭を抱える。
ランディは4歳年下の実弟で私が日本にいる間、自国で父のサポートしている。恐らく来日の目的は仕事では無いだろう。母上に頼まれ私の様子を見に来るのだと思う。タチバナをはじめ私の側近は咲さんの事は他にはバレない様にし、色々と配慮してくれている。
私の情報が入らない母上が弟ランディに直接確認に寄こしたのだ。ここ数年は年に1回この様にランディに探りを入れさせている。
表向きは企業の次期CEOは私になっているが継ぐ気は無い。ランディにはその話はしてあり次期CEOはランディに任せている。私は生涯を掛けてエミリアを捜すつもりでいた。母はそれが気に食わない様で相応の女性と結婚し世継ぎを儲けて会社及び家の存続を望んでいる。
何度もハニートラップを掛けられ、気が付くと深夜のベッドに女性がいる何て事はざらにあった。
また、見合い話と国に帰って来いだろう。いい加減諦めてくれればいいのだが…
怖いのは咲さんの存在を知られ外堀を堅められる事だ。そうなったらきっと彼女は私から逃げてもう会ってくれないどころか拒むだろう…
不安になった私は咲さんにメッセージを送る。
『明日の夜食事に行きませんか?』
“ぴろ~ん”
「!!」
いつも返事は半日以上かかるに今日はやけに早い。
『明日は昼から会社の指示でセミナーに参加しそのまま直帰予定です。早い時間からで良ければお付き合いしますが…』
私との食事を即決してくれた事に感動し、セミナーが終わる時間と場所を聞き迎えに行くと返事した。
嬉しい事に最近の咲さんのガードは少しずつ緩んできている。時折冗談を言い笑ってくれる様になった。やっと心開いてくれて来たのに!
「母上の干渉が鬱陶しい…」
翌日タチバナからランディの予定を知らされる。何と2日後に来日し日本支社に監査に来るそうだ。
「タチバナ!」
「明日の朝一の飛行機とホテルはお取りしております」
今日の夕食後から暫くは咲さんと会えない。最近は週1で会っていたから暫く会えないと寂しい。順調だった関係が停滞しそうで不安になる。出来れば今晩の食事の時にもう一歩近づきたい…
夕食には早い時間だが咲さんが受けているセミナー会場の近くの和食料理のお店を予約し、会場前に車を止め終わるのを待っていた。
会場入口を注視していたら人が続々と出て来た。どうやら予定より早く終わった様だ。
お迎えすべく車を降りると咲さんが見えた。彼女は仕事の時はシンプルなパンツにニットを着ている事が多い。今日は深緑のパンツに淡いクリーム色のニットで実年齢より若く見える。咲さんを見ていると口元が緩む…が!
咲さんの隣に以前報告を受けた彼奴がいる。
『何故だ!』
咲さんはあの“古川”と一緒に会場から出て来た。咲さんはあたりを見渡している。きっと私を捜しているのだろう。その咲さんに古川は必至で話しかけている。
『早く咲さんの元へ』
「ジークヴァルト様!」
「なんだタチバナ。早く咲さんの所へ行かないと!」
「今連絡が入りランディ様が行き先を変更しこちらの空港に着かれました!」
「はぁ?」
こうしている間にも古川は咲さんに親し気に話しかけている。
「ちっ!タチバナ取りあえず咲さんを連れて食事に向かう。ランディの動向を探って知らせてくれ」
「畏まりました」
咲さんはスマホを取り出し連絡しようとしているのに、古川が頻りに話しかけ誘っている様に見える。咲さんの元へ駆け寄る
「お連れが来るまでそこのカフェでお茶でもしましょう。付き合いますよ」
「いえ、すぐ来ると思いますので…古川さんは一旦会社に戻られるんでしょ⁈私は直帰なので」
「少しくらいは大丈夫です」
言いよる彼奴に腹を立てながら駆け寄り
「咲さん!お待たせしました」
私の存在に驚いた顔をしている古川。しかし直ぐに好戦的な態度を取り
「梶井さんのお知り合いですか?私は梶井さんと仕事でお付き合いしている古川と申します。失礼ですか梶井さんとのご関係は?」
「咲さんの古くからの付き合いです。この後咲さんと約束しておりますので失礼します」
古川の態度にむかついたが冷静に対応し咲さんをエスコートしその場を去った。
お店までは近いので咲さんの手を引いて歩く。咲さんは困惑している。
「あの男は?」
「あー古川さんは取引先の元担当者でセミナーが終わって帰ろうとしたら声をかけられて、同じセミナーを受けていたなんて知らなくてびっくりしたんですよ」
「遠くから見ていましたが仕事の付き合い以上に感じましたが!」
「う…ん。好意を持っていただいているようですが… 初めにお断りしてるんですよ」
「しつこいようなら…」
「大丈夫です。恋愛感情を抜いたら気の合う仕事仲間なので、距離をしっかり取って対応してますから」
どう見ても大丈夫じゃないよ咲さん。しかしこれ以上言うと自分に返って来そうなのでこの話はここで終わりにした。
明日から日本支社の近くに暫く行く予定で、この食事の時に話すつもりが予定が狂ってしまった。
スマホを確認するがまだタチバナからの連絡はない。料理はコースを頼み向き合って他愛もない日常会話をしていたら、咲さんが不安な事を言い出した。
「今日受けたセミナーは明日もあるんですよ。あまり会社から出ることが無いのでワクワクします」
「と言う事は先ほどの彼も…」
「一緒のセミナーだから来るでしょうね」
「…」
一気にテンションが落ちる。あの好戦的な態度。明らかに私を敵視していた。
「気に食わない…」
「へ?今何か言いました?」
「いえ…貴女を縛る事はできないが、明日もし彼に誘われても行かないで欲しい…」
キョトンとした彼女は可愛らしく口付けたい衝動に駆られ必死に我慢していると
「あ…さっき既に誘われて返事しちゃいました。でも古川さんに聞きたいことがあってその為に会う感じです。だから色恋沙汰はありませんから」
「貴女が無くても彼は…」
「大丈夫です。セミナーの前にランチするだけですから時間もあまり無いし、明日はセミナー終わったら会社に戻らないといけないので、どうこうなる事は無いですよ」
あっけらかんとして美味しそうに食事する咲さん。口説かれるに決まっているじゃ無いか!貴女は押しに弱いんだから異性と出かけないで欲しい。
今になって賢斗氏が束縛した気持ちが分かった。
『可愛く危機感のない咲さんを私の腕の中で囲いたい』
そんな事を思いながら食事をする咲さんを見つめていたら、タチバナからメールが入る。
“ランディ様はジークヴァルト様が滞在されているホテルにチェックインされ、ジークヴァルト様を探しておいでです。
友人と食事に出られているとお伝えして、ホテルの部屋でお待ちいただき、モリスに監視させています。梶井様を送られましたら、直ぐにホテルにお戻りを”
返事を返し美味しそうにデザートを頬張る咲さんを愛でる。ランディが帰るまで咲さんに会えない。今日は一歩先に進みたい…唇は無理でも頬か額に口付けたい。
すると咲さんが
「明日はクライアントの急ぎのデータか届き暫く残業になります。連絡頂いても返せないと思います。ですからまた落ち着いたら私から連絡しますね」
「そっそうですか…残念だ。無理はなさらないで下さい。連絡お待ちしています」
「はい」
会えないのは辛いがランディの件があるから丁度いいかもしれない。
少し安心して咲さんとの食事を終えた。
ご馳走したいのに咲さんは必ずご自分の分を支払う。気を使いたくないらしいが… 今日のお店は少しお高いのでご馳走した。
「すみません。次は私がご馳走しますね」
「嬉しい。楽しみにしています」
また次に繋がり嬉しく顔が綻ぶ。こうして車に乗り咲さんを家まで送り家の前に着いた。
お礼を言い降りようとした咲さんの手を握り見つめる。いい中年がキス一つに緊張していると、気付いた咲さんは顔を赤らめ困っている。勇気を出して咲さんの手を引くと…
「まだそこまでは…でも…ジークさんは嫌いでは無いです」
「えっ⁉︎」
咲さんは抱きつき”ぎゅー”として車を降りて、扉を閉め手を振って家に入って行った。
『可愛すぎる…』悶絶する私を乗せた車はホテルに戻って行った。
滞在しているホテルの部屋で日本支社の資料を見ていたらタチバナが来て何が言いたげだ。タチバナは基本表情が無くいつも冷静で的確に職務をこなす。彼の眉間の皺に一抹の不安を感じながら手を止めると
「本宅のジョーイから連絡が入りランディ様が日本行の航空券を用意されているとの事。近々来日されるようです。調べましたが仕事で日本に来る必要はなさそうで、恐らくフローラ様絡みではないかと…」
「母上か…厄介だな。やっと咲さんとの距離が縮まり心を開いてくれているのに!
タチバナ。ランディの予定を調べ奴が滞在中はここを離れ日本支社の近くにホテルに滞在する。絶対にランディを咲さんに接触させるな」
「畏まりました。すぐ手配いたします」
溜息を吐きソファーに深く座りコーヒーを飲む。『実に厄介だ』と呟き頭を抱える。
ランディは4歳年下の実弟で私が日本にいる間、自国で父のサポートしている。恐らく来日の目的は仕事では無いだろう。母上に頼まれ私の様子を見に来るのだと思う。タチバナをはじめ私の側近は咲さんの事は他にはバレない様にし、色々と配慮してくれている。
私の情報が入らない母上が弟ランディに直接確認に寄こしたのだ。ここ数年は年に1回この様にランディに探りを入れさせている。
表向きは企業の次期CEOは私になっているが継ぐ気は無い。ランディにはその話はしてあり次期CEOはランディに任せている。私は生涯を掛けてエミリアを捜すつもりでいた。母はそれが気に食わない様で相応の女性と結婚し世継ぎを儲けて会社及び家の存続を望んでいる。
何度もハニートラップを掛けられ、気が付くと深夜のベッドに女性がいる何て事はざらにあった。
また、見合い話と国に帰って来いだろう。いい加減諦めてくれればいいのだが…
怖いのは咲さんの存在を知られ外堀を堅められる事だ。そうなったらきっと彼女は私から逃げてもう会ってくれないどころか拒むだろう…
不安になった私は咲さんにメッセージを送る。
『明日の夜食事に行きませんか?』
“ぴろ~ん”
「!!」
いつも返事は半日以上かかるに今日はやけに早い。
『明日は昼から会社の指示でセミナーに参加しそのまま直帰予定です。早い時間からで良ければお付き合いしますが…』
私との食事を即決してくれた事に感動し、セミナーが終わる時間と場所を聞き迎えに行くと返事した。
嬉しい事に最近の咲さんのガードは少しずつ緩んできている。時折冗談を言い笑ってくれる様になった。やっと心開いてくれて来たのに!
「母上の干渉が鬱陶しい…」
翌日タチバナからランディの予定を知らされる。何と2日後に来日し日本支社に監査に来るそうだ。
「タチバナ!」
「明日の朝一の飛行機とホテルはお取りしております」
今日の夕食後から暫くは咲さんと会えない。最近は週1で会っていたから暫く会えないと寂しい。順調だった関係が停滞しそうで不安になる。出来れば今晩の食事の時にもう一歩近づきたい…
夕食には早い時間だが咲さんが受けているセミナー会場の近くの和食料理のお店を予約し、会場前に車を止め終わるのを待っていた。
会場入口を注視していたら人が続々と出て来た。どうやら予定より早く終わった様だ。
お迎えすべく車を降りると咲さんが見えた。彼女は仕事の時はシンプルなパンツにニットを着ている事が多い。今日は深緑のパンツに淡いクリーム色のニットで実年齢より若く見える。咲さんを見ていると口元が緩む…が!
咲さんの隣に以前報告を受けた彼奴がいる。
『何故だ!』
咲さんはあの“古川”と一緒に会場から出て来た。咲さんはあたりを見渡している。きっと私を捜しているのだろう。その咲さんに古川は必至で話しかけている。
『早く咲さんの元へ』
「ジークヴァルト様!」
「なんだタチバナ。早く咲さんの所へ行かないと!」
「今連絡が入りランディ様が行き先を変更しこちらの空港に着かれました!」
「はぁ?」
こうしている間にも古川は咲さんに親し気に話しかけている。
「ちっ!タチバナ取りあえず咲さんを連れて食事に向かう。ランディの動向を探って知らせてくれ」
「畏まりました」
咲さんはスマホを取り出し連絡しようとしているのに、古川が頻りに話しかけ誘っている様に見える。咲さんの元へ駆け寄る
「お連れが来るまでそこのカフェでお茶でもしましょう。付き合いますよ」
「いえ、すぐ来ると思いますので…古川さんは一旦会社に戻られるんでしょ⁈私は直帰なので」
「少しくらいは大丈夫です」
言いよる彼奴に腹を立てながら駆け寄り
「咲さん!お待たせしました」
私の存在に驚いた顔をしている古川。しかし直ぐに好戦的な態度を取り
「梶井さんのお知り合いですか?私は梶井さんと仕事でお付き合いしている古川と申します。失礼ですか梶井さんとのご関係は?」
「咲さんの古くからの付き合いです。この後咲さんと約束しておりますので失礼します」
古川の態度にむかついたが冷静に対応し咲さんをエスコートしその場を去った。
お店までは近いので咲さんの手を引いて歩く。咲さんは困惑している。
「あの男は?」
「あー古川さんは取引先の元担当者でセミナーが終わって帰ろうとしたら声をかけられて、同じセミナーを受けていたなんて知らなくてびっくりしたんですよ」
「遠くから見ていましたが仕事の付き合い以上に感じましたが!」
「う…ん。好意を持っていただいているようですが… 初めにお断りしてるんですよ」
「しつこいようなら…」
「大丈夫です。恋愛感情を抜いたら気の合う仕事仲間なので、距離をしっかり取って対応してますから」
どう見ても大丈夫じゃないよ咲さん。しかしこれ以上言うと自分に返って来そうなのでこの話はここで終わりにした。
明日から日本支社の近くに暫く行く予定で、この食事の時に話すつもりが予定が狂ってしまった。
スマホを確認するがまだタチバナからの連絡はない。料理はコースを頼み向き合って他愛もない日常会話をしていたら、咲さんが不安な事を言い出した。
「今日受けたセミナーは明日もあるんですよ。あまり会社から出ることが無いのでワクワクします」
「と言う事は先ほどの彼も…」
「一緒のセミナーだから来るでしょうね」
「…」
一気にテンションが落ちる。あの好戦的な態度。明らかに私を敵視していた。
「気に食わない…」
「へ?今何か言いました?」
「いえ…貴女を縛る事はできないが、明日もし彼に誘われても行かないで欲しい…」
キョトンとした彼女は可愛らしく口付けたい衝動に駆られ必死に我慢していると
「あ…さっき既に誘われて返事しちゃいました。でも古川さんに聞きたいことがあってその為に会う感じです。だから色恋沙汰はありませんから」
「貴女が無くても彼は…」
「大丈夫です。セミナーの前にランチするだけですから時間もあまり無いし、明日はセミナー終わったら会社に戻らないといけないので、どうこうなる事は無いですよ」
あっけらかんとして美味しそうに食事する咲さん。口説かれるに決まっているじゃ無いか!貴女は押しに弱いんだから異性と出かけないで欲しい。
今になって賢斗氏が束縛した気持ちが分かった。
『可愛く危機感のない咲さんを私の腕の中で囲いたい』
そんな事を思いながら食事をする咲さんを見つめていたら、タチバナからメールが入る。
“ランディ様はジークヴァルト様が滞在されているホテルにチェックインされ、ジークヴァルト様を探しておいでです。
友人と食事に出られているとお伝えして、ホテルの部屋でお待ちいただき、モリスに監視させています。梶井様を送られましたら、直ぐにホテルにお戻りを”
返事を返し美味しそうにデザートを頬張る咲さんを愛でる。ランディが帰るまで咲さんに会えない。今日は一歩先に進みたい…唇は無理でも頬か額に口付けたい。
すると咲さんが
「明日はクライアントの急ぎのデータか届き暫く残業になります。連絡頂いても返せないと思います。ですからまた落ち着いたら私から連絡しますね」
「そっそうですか…残念だ。無理はなさらないで下さい。連絡お待ちしています」
「はい」
会えないのは辛いがランディの件があるから丁度いいかもしれない。
少し安心して咲さんとの食事を終えた。
ご馳走したいのに咲さんは必ずご自分の分を支払う。気を使いたくないらしいが… 今日のお店は少しお高いのでご馳走した。
「すみません。次は私がご馳走しますね」
「嬉しい。楽しみにしています」
また次に繋がり嬉しく顔が綻ぶ。こうして車に乗り咲さんを家まで送り家の前に着いた。
お礼を言い降りようとした咲さんの手を握り見つめる。いい中年がキス一つに緊張していると、気付いた咲さんは顔を赤らめ困っている。勇気を出して咲さんの手を引くと…
「まだそこまでは…でも…ジークさんは嫌いでは無いです」
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