王子に注意したら婚約破棄されました。 もう我慢しないと決めた元令嬢。なぜか幼馴染の侯爵に拾われました。

 王子の婚約者として、国母になるために我慢を強いられてきた伯爵令嬢シャーロット。

 良き王になってもらうため、王子の非道を諭してきた。
 「伯爵の娘程度の身分で生意気だ!」
 それだけで、彼女は人前で一方的に婚約破棄された。

 怒りも復讐も、正直どうでもいい。
 なにより頭に浮かんだのは、

(……これ、逆に助かったのでは?)

 我慢ばかりの人生をやめよう。
 そう決めたシャーロットは、根に持つタイプの王子から実家を守るため、自ら「放逐される」道を選ぶ。

貴族のしがらみから解放され、好きなことをして生きていこう。
 そう考えていた矢先、兄の親友であり、無口で無愛想と評判の侯爵フィルムスから
「我が領地で暮らさないか?」
と声をかけられる。

 小さな頃から知っている人物で、今すぐやりたいことがあるわけでもない。
 シャーロットは、その申し出を受けることにした。

 いざフィルムス領を訪れてみると。
彼の領地は驚くほど平和で、一見すると何の問題もないように見えた。

 けれど、どれほど治安が良くても、どれほど制度が整っていても、領主の手からこぼれ落ちる人は、確かにいる。
 
 食いしん坊で無自覚な元令嬢は、気づけば街の小さな困り事を拾い始め、名ばかりだったクランの立て直しに関わっていく。

 これは、「もう我慢しない」と決めた令嬢が、
街と人を繋げ不器用な侯爵と少しずつ距離を縮めていく物語。

 ざまぁはしません。
 ただし、たまに王子の近況報告はあります。

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