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準備 6

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食べ物につられて契約したアース。
仲間ができたのは嬉しいんだけど、僕を気に入ってくれて契約してくれたんじゃなかったのが、ちょっと悲しい。

「そうか。近々に旅に出るのか。」

アースとはこれから仲間としてずっと一緒に行動することになるので、今の僕の状況とこれから起こるであろう未来について話した。

「そうなる。それで森の深部に拠点を作ってるんだ。旅に持っていくものを隠しておくだけなんだけどね。」

「で、そこを守っているのはもぐらのモグだけだと。」

「うん。」

「では俺たちもその拠点に行って守ってやろう。 序でついでに、旅に必要な食料も育てよう。みんな、引っ越しだ。」

アースが声をかけると、土の妖精たちが5色の実が生っている木のまわりで歌いながら踊りだした。

『種の花咲いて!種の花、実を付けて!種ができたらこっちにおいで!』


「お前、名前は?」

「ライトだよ。土狼君は?」

「名など持っていない。俺に相応しい名前を付けてくれ、主殿?」

・・・主だなんて思っていないことが丸分かりだ。
でも主従関係じゃない。僕たちは仲間だ。
テイムは一緒に行動するための手段でしかない。

「ドラは?」

「カッコよくないな。」

「ラグ」

「なんの意味がある。」

「アース」

「・・・お前、センスが皆無だな。ふうっ・・・これ以上は望めまい。よし、俺はアースだ。おいライト。あの木に種ができる前に実を採ってしまった方がいいぞ。種ができると枯れてしまうからな。」

「うわわっ、もう花弁が落ち始めているじゃないか。急がなきゃ!」

僕は慌てて5色の実を採取した。
誰か手伝ってくれてもいいのに・・・

この木はここにいる土の精霊たちの宝物らしい。
種の花は1本の木に1つしか咲かず、移動するときには必ず種にして持って行くという。
土の精霊と移動してしまう木。
そりゃ伝説扱いされる訳だ。

僕はアースと土の精霊たちと一緒に、拠点に帰る。
モグが土壁の一部を崩して、僕たちを迎えてくれる。

「ありがとうモグ。」

モグは心なしか嬉しそうだ。

モグがアースを見る。
そして、モグはもぐらか?という速さでアースに上って行き、アースの首の付け根当たりの毛に埋まった。

「わわっ、ごめんアース、吃驚したでしょ。大丈夫?」

「うむ。こいつら土の精霊は俺の眷属だからな。まあ、みんな子供みたいなもんだ。」

「・・・眷属?土の精霊が土狼の眷属なの?」

「俺はただの土狼ではない。土狼最上位に位置する神獣だからな。土の精霊たちはすべて俺の眷属と言っても過言ではない。」

ふんすっと胸を張るアース。

え?
ちょっと待って?
アース、今なんて言った?
聞き間違え?
土属性の精霊しかテイムできない僕が、神獣をテイムしちゃったってこと?
見た目狸なのに・・・神獣って・・・まじ?
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