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第四話 リリアの事情
しおりを挟むリリアが起きたのは次の日の昼頃だった。
相当疲労が溜まっていたようだ。
俺はリリアの部屋に向かい、ドアをノックした。
リリアから入室の許可を貰い、部屋の中に入った。
リリアはベッドの中にいた。
汚れていた金色の髪は元の美しさが戻っており、紫色の瞳も輝いている。
「ビリー、ごめん。婚約を結んでいたとしても突然押しかけて」
「気にしないで、リリア。事情があることぐらい察せるから」
「それなら良かった。でも、どうしてここに?」
「最後に、お父様がここに行けと言われたので」
「リリア、これまでのことを聞いても」
リリアは頷いて答えてくれた。
どうやら、リリアはここまで逃げてきたらしい。
リリアは俺との婚約が白紙になった後、婚約を結んでいなかったらしい。
だが、ある侯爵家の長男が婚約を迫ってきたらしい。
俺はそのことを聞いたときに自分の中で黒い感情が溢れ出てきた。
それを一旦収め、リリアの話に集中した。
だが、1ヶ月ぐらい前にその侯爵家の長男の態度が急に変わったらしい。
そして、その侯爵家の長男はリリアに対して、ありもしないことを言い出したみたいだ。
リリアはそのことに恐怖を覚え、直ぐに屋敷に帰ったらしい。
屋敷に帰ると屋敷の雰囲気も変わっていた。
直ぐにベンネット伯爵の部屋に向かったらしい。
部屋に入った後、ベンネット伯爵は頭を抱えて、顔色が悪かったらしい。
リリアは直ぐにベンネット伯爵に近付いたがベンネット伯爵に止められ、金を渡してきたらしい。
「リリア、この金を使って、ランガン伯爵の屋敷に行きなさい。そこならビリー君がリリアのことを守ってくれる」
リリアは今起きていることを緊急事態とだと察し、素直に聞いたみたいだ。
そのままリリアは俺の屋敷に向けて、移動した。
その移動途中に魔物に追いかけられ、俺と再会した。
話し終えたリリアは不安そうな表情を浮かべていた。
「ねぇ、ビリー。私の周りで何が起きているの?」
「多分だが、リリアの周りで起こったのは力を使った人為的のものだと思うよ」
「何の力なの?」
「話を聞いた限り、人を操る系としか言えないな」
俺は少しでもリリアが安心出来ように微笑んだ。
「こちらの方でも調べてみるよ。リリアは結果が出るまで、ここで過ごしてくれ」
「ビリー、いいの?私がここで過ごしても」
「ああ、リリアを守りたいからな」
「ビリー、ありがとう」
そう言い、リリアは微笑んだ。
その後、俺はリリアの部屋を出て、執務室に向かった。
執務室で貴族のランガン伯爵家の力、商人バルハナの力、冒険者レックスの力を使い、情報を集めることを指示出した。
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