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第十話 秘密の共有
しおりを挟むリリアが隣国に帰ってから1ヶ月が経った。
夜は基本的にリリアと会話をする。
たまにベンネット伯爵と会話をすることもある。
だが、ここ最近リリアが寂しそうにしていた。
ベンネット伯爵家の屋敷に行くか。
俺は転移魔法が使える。
婚約者に寂しい思いはさせたくない。
リリアとベンネット伯爵は信用している。
だから、転移魔法のことを知らさせても大丈夫だろう。
俺は転移魔法を使い、ベンネット伯爵家の屋敷の近くに移動した。
そして、俺はベンネット伯爵家の屋敷に行き、門番に自分の身分と名前を伝え、いきなり来た謝罪とベンネット伯爵を呼んでもらった。
5分ぐらいでベンネット伯爵とリリアが門までやってきた。
そのまま、俺は応接室に通された。
「ビリー君。いきなり来て、驚いたよ」
「すいません、驚かせたくて」
挨拶を終わった後、ベンネット伯爵に人払いをお願いした。
ベンネット伯爵は使用人達に指示をした。
使用人達は指示に従い、応接室から出ていった。
応接室には俺とリリアとベンネット伯爵だけになった。
「人払いをしたが、そんな大事な話なのかな?」
「ええ、大事な話です。私の秘密に関してです」
秘密と聞いて、リリアとベンネット伯爵は息を呑んだ。
「このことは他言無用でお願いします。私は転移魔法が使えます」
その発言にリリアとベンネット伯爵は固まってしまった。
それはそうだ。
転移魔法が使える人材なんて、国に1人いるかどうかぐらいだ。
固まっている2人に俺はある提案をした。
待ち合わせの場所を決め、俺がそこに転移魔法でいくというものだ。
その提案はリリアが嬉しそうな表情を浮かべながら、了承してくれた。
「リリアが良いなら、私は構わないがビリー君。1つだけアドバイスをしたい」
「アドバイスとは?」
「転移魔法を公に使えるようにしたほうがいい」
「それはなぜですか?」
「緊急時のためだ。例えば、転移石を発動した時と同じような動作をする形だけの転移石を作るとか」
転移石は使用すると一瞬光り、砕け散ってから目的の場所に転移することが出来る。
ちなみに、転移魔法と転移石は1度行ったことがある場所にしか行けない。
だが、行ったことが無い場所でもその場所に関する情報があれば、転移することが出来る。
その後はリリアとベンネット伯爵と会話をしてから転移魔法を使って、アカザのところに向かった。
アカザに転移石と全く同じ見た目で一瞬光り、砕けるだけの魔法具を大量に頼んだ。
アカザはその注文を数分で終えた。
俺はアカザに礼を言い、金を渡して、屋敷に戻った。
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