【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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〜異変〜

人形

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「 …  ん、ふっ…  」

次第に息苦しくなって、私は上を向く…。

「は、っ あ… 杉崎さ、ん…」 

やっと…私を抱き締める腕の力が緩むと同時に、ゆっくりと杉崎さんの唇が離れ… 

ほうと、息をつく。

「…  … 水無月さん… …」

少し、思い詰めたような、杉崎さんの声…
杉崎さんの唇が少し濡れていて…羞恥心が増す…

「は、い…」

私が小さく返事をすると…

次の瞬間…

杉崎さんの低い声が…
驚くべきキーワードが、耳に届く…

「…ベッドに、行こうか… 」

「 え …  」

一瞬、自身の耳を疑った…。

ベッドに行こうか、などと…
杉崎さんが口にするとは、思っていなかった…。

どういう意味で…
ベッドに行こうと、口にしたのか…

疲れていて…今から、仮眠を取りたいとか…
そうだ、杉崎さんは前にマッサージの話をしていた…もしかしたらマッサージを… ?…

「… … …」

違う…。
これまでの流れからも…そんなはずはない…

今のこの状況で、どういう風に違う答えを探したとしても…
そういう… 意味にしか、取れない…

まさかとは思うが…
杉崎さんは私を、誘っているのだろうか… 

図らずも、拓海との行為の話をしたせいで…
杉崎さんの欲望に火をつけてしまった…?   

「… 駄目…?」

「あ…あの…ベッドって…… 」

私は自問する…
聞いたところで…何になるのだろう…
答えは明白だ… 

「わからない…?」

杉崎さんがくすりと笑う…。
その笑顔が…いつもと違うような気がした…

なんだろう… 怖い…

なんで、いつも優しい杉崎さんに対して、そんなことを思ったのだろう…

「あ…あの…」まただ…鼓動が、早くなる…

「ベッドの上で…明るい照明の下で…今すぐ、君を裸にして滅茶苦茶にしたい… …そんな気分…なんだけど…」

「 え …  … 」

「…この申請って… 許可してもらえる…… ?」

「…  明るい照明…   い、今すぐ… … ?」

驚きのあまり…おうむ返しに聞いてしまう私…

「そう… もっと… 君に、触れたい…抱きたい…… 」

「… …あ … …」 


この人になら…
滅茶苦茶に、されてもいい…

さっき、密かに心の中で思ったことを…
そのまま…杉崎さんに、言葉にされたことに驚愕しながらも…

       答えは、明白だ…

私は、まるで操られた人形のように…

      コクリと、頷いた…。


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