【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~杉崎~

本音

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「あっ…  あああっ… は、あっ… んっ…」

彼女は俺の激しい愛撫に、あられもない声を上げながら、
最後、小さく震えながら身体を反らし…

…遂に…俺の腕の中で…絶頂をむかえた…。

「… … っ …」 

彼女の内部は、依然として温かく…
俺の指を、収縮しながらも締め付け続けている。

「… …水無月さん … 」

彼女のそこに…彼女の奥深くに指を埋めたまま…彼女を見つめる。

普段は、ほの白い頬が…紅く、染まっている…。

眼にはうっすらと涙を浮かべていて… 肩で、静かに息をしている…。

不安そうに俺の顔を見上げるが、
恥ずかしさからなのか、すぐに視線を逸らされた…。

「… … … 」何といえば良いのかわからない…言葉では、表現できない…

これまでの人生において、
感じたこともないほどの愛おしさ… 
そんな気持ちが…  熱い感情が、俺の胸の中に、じわじわと込み上げてくる…。  


拓海など、もはやどうでもいい…

あんな男は… 
自分の恋人に… 
いや…たとえ、恋人であっても…

嫌がる女性に避妊もせずにセックスを強いるような乱暴な男など、いっそ、捨ててしまえばいい…。

ああ… 
彼女を前にすると、普通にふるまうことが出来ない…。
恐らく、彼女が希望しているであろう紳士の姿… その姿では、とてもいられない…。

もはや、取り繕えない、自分自身の本音に気付かされる…。

俺の希望は、ただ一つ。

早く…出来るだけ早く、あの男と別れて欲しい…
男は同意していないようだが、そもそも、同意などいらない…いらないはずだ…。

彼女は決して、あの男の…拓海のものじゃない。

   人には意志があり、気持ちは変わるものだ。

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