【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

文字の大きさ
126 / 224
~決意~

JK

しおりを挟む
「ほら… 答えてよ… お昼の時間、なくなっちゃうじゃん…」

射るような視線と、投げやりな言葉が…私の横顔に突き刺さる…。

「あ… あの…さっきから、な…何を、言ってるんですか…」
駄目だ…相手は同世代の子なのに…弱すぎる私…意図せず、声が震えてしまう…。

さきほどの彼女の声に、
明らかに苛立ちのようなものを感じた…。

それと、口調… この、口調… 
社会人でありながら…まるで、女子高生のようだ…。

信じられない…  今までの…
少なくとも、私が目にしてきた細野さんのイメージと、かなり違う…違い過ぎる…。  

今日は、淡い水色のブラウスにふわふわした…柔らかそうなセーターを合わせ…
少し厚手の、綺麗なボルドーの色味のお洒落なプリーツスカートを履いている彼女。
華奢なイヤリングがとてもよく似合っている…今日も、完璧だ…完ぺきな可愛らしい女子…そのものなのに…
この、少し乱暴な口調…  残念なほどに、アンバランスだ…。

「何をって…だから~さっきから聞いてんじゃないですか~あんたと…杉崎さんの関係…怪しいんですよ…傍から見てて…」

あんた…
人に…家族ではない人に、あんたと、言われたのも、就職して初めてのことだ…。

「そ、それは…杉崎さんは職場の… 私の、先輩、で… 親切に…して、くださって…」
だめだ…やっぱり、声が震えてしまう…。

「はあ…?また、そんな説明…違うでしょ…実は密かに、付き合ってんじゃないんですか~?遠恋中の智花さんを差し置いて…まるで、そこらの意地汚い泥棒猫みたいに、杉崎さんをうまく、誘惑して…」

「… … …」 意地汚い、泥棒猫… 

ひどい、言われようだ…

でも、泥棒… それは、否定できない…
私のしていることは確かに…泥棒…なのかもしれない…。

「ほら…またまた黙っちゃって…そうやって、下を向いて口を閉ざせば…誰か助けてくれるとか、思ってんでしょ…あの、最初の歓迎会の時みたいに…演技、やめてよね…マジで…ウザイ…あんたがそんなだから、周りが…優しい杉崎さんが、コロっと騙されちゃうのよ…」

    演技… ?

      あれが、演技だと、

            言われた… ? 

あの日… 初めての、新人歓迎会の日の、夜…

私は必死に…主任の質問に回答をしようとした…ただ、それだけだ…   

それなのに、周りを、 騙した… 杉崎さんを、騙した… ?

私は…  精一杯、場の空気を壊さないように… 答えたつもりだ… 

あれは、演技なんかじゃないのに… 
なぜ、そんなことを言われなければいけないのか、意味がわからない…

大体、なんでこんなにも…私が、細野さんに一方的に、責められなければならないのか…
林さんならわかる… 
林さんになら…私は、間違いなく…責められるべきことをした…心から、謝らなければならない…。

だけど、細野さんに…なんで… ここまで… 

ふと、膝上の…

    デザートの袋が目に映った。






























しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...