悪女は王子を騙したい~あなたの破局、わたしが請け負います~

「セリーナ、俺はお前との婚約を破棄する!」

 煌びやかな夜会会場の一角で、一人の男が婚約破棄を宣言していた。傍らには、愛らしい見た目をした令嬢ゼパル。男はセリーナの代わりにゼパルと結婚するのだと口にする。

「承知しました」

 セリーナは婚約破棄を了承。金輪際関わらない、撤回を認めないという条件を男に突きつける。
 喜ぶ男。けれど、傍らにいるはずのゼパルがいない。

(憐れな男ね)

 ゼパルと呼ばれていた少女ーーーーオルニアは、会場の外でため息を吐く。
 彼女の仕事は男達を騙すこと――――いわゆる『別れさせ屋』だった。
 切なる思いを抱えた依頼人のため、名を変え、顔を変え、立ち居振る舞いを変え、今日もオルニアは男を誑かし、婚約破棄を成立させる。

 さあ、次は誰を騙そうかな?
 そう思っていた時、彼女は第3王子であるクリスチャンと出会うのだがーーーー?
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