あのとき助けていただいた触手です

 美しく聡明な侯爵令嬢メルクルディ=アヴァローンは、妬みを抱いた公爵令嬢グリセリアによって、身体の半分が触手に変わる呪いをかけられ、王都から追放される。

 孤独と絶望の中で生きる彼女のもとに現れたのは、天才だが変人の魔法使いロッシュ=カサンドル。

 異形となった彼女の姿を美しいと称賛し、毎日触手の研究に没頭するロッシュに、メルクルディの心は次第にほぐれていく。

 一方、呪いをかけたグリセリアは、満足げに高笑いするが、じわじわと破滅の兆しが忍び寄っていることに気付かないでいた。
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