短編集【令嬢の憂鬱】

モモん

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超合金ロボ

冒険者登録

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毎回こんな調子では、手間がかかって仕方ない。
超合金ロボにこんな落とし穴があったとは…
門兵に相談すると、冒険者ギルドで登録すれば登録証という身分証を発行してもらえるとの事。
素材の買い取りもしてもらえるため、登録しておいた方が何かと便利なんだとか。

正直なところ、宿に泊まる訳でもなく、食事も必要ない。町ですることは情報収集だけである。
あまり手間がかかるようなら、パスする選択肢もあった。

門兵に聞いた冒険者ギルドはすぐに分かり、入り口を入ったのだが、注目を集めてしまった。

なっ、なんだ…… 鎧か…… ゴーレムじゃないのか……
歩くたびにバイーン・バイーンだもんね。
全部無視してカウンターに向かうが、受付嬢の引き攣った表情……

「ご用件は……」

「冒険者登録をしたいのですが、ここでいいですか」

「し、新規登録ですか?」

「はい」

「人間のかた……ですよね?」

「はい。門のところで、お婆さんに鑑定してもらいました。間違いありません」

「それは、鎧ですか?」

「異次元の神の呪いで、脱げなくなっているんです。鎧自体が呪われた防具なんです」

「そ、それはお困りでしょう。神殿で解呪はできなかったのですか?」

「不可能です。神様の呪いですからね」

「分かりました。
では基礎レベルを計測しますので、こちらの玉に手をおいて魔力を流してください」

「魔力を流すって、どうやるんですか?」

「んー、とりあえず手を置いてみてください」

「こうですか?」
水晶玉みたいなのに、手を添える。

「わっ、マ、マスタークラス……パラメータは……計測不能って……すみません、私では対応できません。
上司を呼びますので少しお待ちください」

そう言って受付嬢は奥へ走っていった。
少しして、仙人みたいな爺さんを連れて戻ってくる。

「ギルマス、こちらの方なんですが、呪いで鎧が脱げないみたいです。
で、このまま計測したら、マスタークラスって表示されて……」

「どれどれ、ふむ、確かにマスタークラスじゃな。パラメータが計測不能って事は、1000以上って事かい。
まあ、いきなりマスタークラスってのは無理があるから、ゴールドクラスから始めてもらおうかの」

「じゃあ、G3でいいんですね」

「そうなるな」

「では……エイジ様でよろしいんですよね、初期登録いたしますのでそのまま動かないでくださいね」

こうして、割と簡単に冒険者登録が完了した。
依頼は、ゴールドクラスのため、ほぼ全ての依頼を受けることが可能。まあ、長居するつもりはないから必要なさそうだが。
宿に泊まる必要もないので、ギルドのホールで夜を明かし、翌朝湿地に向かって出発した。
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