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超合金ロボ
そして……
しおりを挟むもう一度刀を振るい、反対の腕も切り落とす。
「チェンジ・人型」
両腕を失ったハルバードはスキルの封印を解除し、瞬時に治療を行った。
「おのれ、もう許さんぞ。メテオ!」
流星を降らす極限魔法。だがすぐに効果がでる訳ではない。
彼方の小惑星帯から引き寄せるのだから、効果の確認に時間がかかる。
この世界に月はあるが、上空には見えない。
何をどこに落とすか明確でないと多分発動しないぞ、それ。
「マジック・キャンセル!」
発動中の魔法に直接魔力をぶつける荒業だ。
念のためにシェラさんと練習しといてよかったよ。
一応キャンセルしておいた。
「くっ、インフェルノ!」
「マジック・キャンセル」
「おのれ、召喚リバイアサン!」
「マジック・キャンセル」
「あのな、大魔法ってのは発動にタイムラグがあんの。
お前は大量のMPを浪費してるだけだって気づけよ」
「ぐっ、お・の・れ……」
あっ、倒れた……ふりして、魔法を発動かよ。
「マジック・キャンセル」
「おお、MP1かよ。ステータスエディット……っと
MP最大値10、HP最大値10、種族:人間、職業:村人、後は全部消しておくかな」
スキルエディットを参考にして構築したらできちゃったやつだ。
「おのれ、出鱈目なやつめ。お前だけは許さん」
突然周囲が暗くなり、声が響いた。
「ヌエか」
「知る必要はない、死ね!デス……」
「煉獄のジャッジ!」
空間が裂け、鎖が飛び出してきた。ヌエの四肢に絡みつき裂け目に引きずり込む。
「神による人への直接関与は認められていません。
ヌエよ神界の審判を受けなさい」
マリューだった。
「お疲れ様でした。ヌエは連れていきますので、皆さんの元にお帰りください。
マフユさんの記憶も消しておきましたから」
意識を失ったハルバードを抱えて戻ると魔族が1体減っていたものの、残りは苦戦していた。
仕方ないので、ステータスをいじって人間が倒せるようにしてやる。
「お疲れ様です」
シェラが迎えてくれたので、ハルバードを兵士に引き渡し、マフユを連れてその場を後にする。
「お待ちください!その女も同罪!」声をあげた兵士を皆が取り押さえる。
バカ、空気を読め、マヨネーズ男爵だぞ!と。
「エイジ=タチバナ、そなたを男爵位に叙する」
財務大臣から爵位について打診があり、マリュー神を国神とする事を条件に承諾した。
名目だけで制約は一切ない。
国王からは、おまけとして第一王女のアネリサがついてくると言われたが丁重にお断りした。
神剣類はすべて宝物庫に返却し、代わりに貴族街の一等地にある屋敷をもらった。
「本当にこちらに残られるんですか?」
「そうですよ。向こうと行き来するスキルも構築できたし、これで甘いお菓子も商品化できます」
マフユは記憶を消した状態で帰らせたし、何といってもこっちの方が。楽しいんだから仕方ない。
中学は卒業したことにしてもらい、家族には海外に留学すると思い込んでもらった。
いつか、子供ができたらシェラさんと里帰りもいいな。
日本から色々なものを持ち込んだ。
ゴムの木や紙の文化。カイコに桑の絹セット。
稲にトウモロコシにじゃがいも。
学校よりも、余程勉強していると思う。
各町にも拠点を作り、バランスよく産業を興していく。
シェラさんとの結婚式は叙勲から4か月後に行った。
その頃には財務大臣の副官にされていたが、それもまた一興である。
「エイジ、カップ麺がなくなりそうだ……」
「王様、カップ麺ばかり食べていると栄養が偏りますよ」
「わしだけではない。ほとんど大臣どもが食べてしまうんじゃ。
次はミソとやらがいいぞ」
「はいはい」
「エイジさん、私、最近ムネが苦しくて……」
「アネリサさん、シュークリームとチョコの食べすぎです」
「エイジ、勝負だ!」
「ペーター王子、オセロはジュリエッタを倒せたら相手になりましょう」
「エイジ、もっとバターを量産してほしいって訴えが」
「エイジ・・・」 「エイジ・・・」 「エイジ・・・」
「エイジさん、母が早く孫の顔が見たいと……」
よっしゃー!
***********************
超合金ロボ編完了です。
次のお話まで少しお時間をいただきます。
応援ありがとうございます!
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