ショタ王子が第一王子なんて聞いてませんけど!?

疾矢

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3.隣国戦争

1.

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「この前の人誰だったの~?」
サボりのヨハンさんに声を掛けられた。

「えっ?」
「ほら~この前来てた長身のフードを被った人」
ギクと体が動く。

「えーっと前お世話になった方です」
まさかこの国の第一王子なんて言えない。
「ふーん。凄い仲良さそうだったね~」
「………ヨハンさん暇なんですか?」

無言で箒を渡すと暫く眺めた後受け取ってくれた。人の詮索をする位なら手伝ってくれ。

「そんな怖い顔しないでよ~。ちょっと気になっただけじゃ~ん」
「すいません。あの方は本当に悪い人じゃないんです。だからヨハンさんが心配する様な事はありませんよ?」
「本当に?黙って僕達の前から居なくなったりしない?」
「え?」

何を言ってるんだ?とヨハンさんを見ると冗談ではなかった様だ。真剣な表情で俺の返事を待っている。

「はい。黙っていなくなったりしませんよ」
今度こそは。ちゃんと挨拶します。
「それに追放された俺がどこに行くって言うんですか?」
「それもそうだね~」

ははと笑ったヨハンさんはいつも通りに見えた。
俺が見知らぬ男の人と仲良さげだったから気になったのかもしれない。可愛い所もあるなと少し嬉しくなったのは秘密だ。
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