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思ってたのと違う

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翌日、いつもの様に授業を終え、リゼルさん・セリーナさん・マリアさんと共にサロンへ向かう途中で、ヒロインちゃんと遭遇した。

ヒロインちゃんは何やらご立腹の様で、クリクリのお目目はキッとつりあがり、腕は胸の前で組み、仁王立ちで構えていた。

「レイラ・ショート。昨日のあれは何なのよ!」

「え?」

昨日のあれとは?アルク様とのイベントの事かしら?

「ちょっとー!アナタ、何様のつもりー!?レイラ様を呼び捨てにするなんて!なんて礼儀のない人なの!」

「アナタは…確か、ローズ・マカロン嬢ですよね。マカロン家は子爵。ショート家は公爵ですよ。格上の方を呼び捨てにするなんて、無礼ですよ。」

「アナタこそ何なの~?格上の方を呼び捨てにするわ、大声を出すわ、はしたなくてよ~?」

「うるさいわね。あんた達じゃないのよ!私はレイラと話してるの!レイラ!き「だーかーらー!アナタが呼び捨てにして良い方お方ではないのですわ!訂正なさいませ!」

普段怒らないリゼルさんがプンプンです。
お怒りのモードのリゼルさんを初めて見ましたわ。
リゼルさんだけでなく、マリアさん、セリーナさんまで。

「もう!うるさいわね!わかったわよ!レイラ様!アナタが邪魔したからアルク様とのイベントが起きなかったのよ!アナタがちゃんと悪役にならないからアルク様とのイベントにならなかったじゃない!ちゃんと悪役やりなさいよ!」

「悪役!?意味不明ですが、レイラ様は悪役などではありません!!訂正してください!」

「そうよ~!むしろ、アナタの方が悪役じゃない~!」

「はぁ!?私が悪役な訳ないじゃない!!私はヒロインなのよ!むしろ、アナタ達も悪役令嬢なのよ。」

「ここまで失礼な方は、初めてですわー。」

「淑女の嗜みも知らない様ですね。」

「もう~、放っておきましょ~?」

「ふん!そんな余裕ぶってるのも今のうちなんだから!アナタ達の婚約者はみーんな私の事を好きになるの。だって、私がヒロインなんだもの。アナタ達は婚約者に捨てられるのよ。アハハハ。」

ヒロインちゃんは高らかに笑いながら去っていきました。

「はぁー。結局、何だったのー?」

「さぁ…」

「なんだか嵐の様でしたわね~。」

ヒロインちゃん…
ゲームと違いすぎる…。
ゲームのヒロインちゃんはとても可愛いくて、女の子らしくて、相手の気持ちを思いやる優しい子だった。前世の私の憧れの女の子だった。
ゲームのヒロインちゃんだったら、アルク様が惹かれてしまっても仕方ないと思ってたけど、今のヒロインちゃんにはアルク様を取られたくない。
そんな黒い気持ちが芽生えてしまいました。
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