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第58話 二刀流の悪魔

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「あっはははは! 死に物狂いねぇ! でも、私は倒せないわよ! あんたの減ったHPは私が吸収しているわ! どんなに頑張って攻撃しても、私のHPは減らないわよ!」
「……」

 何故だか分からないけど、デビルスライムは凄く余裕だ。
 でも、大丈夫だと思う。吸収されるHPは100程度だ。

 だけど、念の為に攻撃力を上げた方がいいかも。
 一旦、デビルスライムから離れると、アイテムポーチに盾を入れて、プラチナの剣を取り出した。
 右手にダイヤ、左手にプラチナの二刀流でめった斬りにしてやる。
「やあああッッ!」と二本の剣を振り上げて突撃した。

 ボコボコボコ!

「あたぁ! あたたたぁ! だから、無駄だって言ってるでしょ! 無駄な抵抗やめて殺されなさいよ!」

 槍に一突きに対して、左右の剣で最低五回は切りつける。
 高速デタラメ斬りはプラチナおばさんで、たっぷり練習したぞ。
 防御を捨てて斬りまくりだ。

 ボコボコ! ボコボコ!

「あたたたたぁ! あっ!」

 腕への集中攻撃でカァラン! と三又の槍を落としてやったぞ。
「やあッ!」とすかさず蹴りで、槍を遠くに蹴り飛ばしてやったぞ。
 これでHP吸収は出来ないぞ。

「ちょっ、ちょっと待って! あんた、何で死なないのよ⁉︎ HP無いんじゃないの!」

 無いというより、元気有りまくりです。
 デビルスライムの抗議を気にせずに、しゃがみ込んで頭を抱える悪魔をめった斬りだ。

「あうううっ~」

 たっぷり斬りまくって、パタンとデビルスライムを地面に倒れさせた。
 斬りすぎて、ほとんど人の形をした青スライムになっている。

 デビルスライムが消えると、地面に赤い角、赤い翼、赤い尻尾が落ちていた。
 槍が欲しかったのに、どこにも落ちてない。非売品みたいだ。

「えーっと……」

【悪魔の角:悪魔の翼、悪魔の尻尾と合わせて装備すると、攻撃力が2倍になる。けれども、他の全ステータスが半減してしまう】

「うーん、諸刃の剣みたいなものかな?」

 冒険者カードで調べてみたけど、使えるのか分からない。
 ここはボックススライムで試着かな?

 ……
 …

「攻撃は最大の防御だね!」

 攻撃力2倍を馬鹿にしたら駄目だった。
 2倍ということは、2倍早く倒せるということだ。
 もっと早く欲しかったよ。

「あっ! もしかすると、何倍にも出来るんじゃないのかな!」

 凄いことに気づいてしまった。もう一度デビルスライムを倒して、悪魔装備をゲットだ。
 そしたら、ボックススライムで合成して、攻撃力100倍とかも夢じゃないぞ。
 地面に左手を置いて、「召喚!」と唱えた。

「……あれ? 召喚!」

 でも、全然デビルスライムが出て来ない。どういうことだ?
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