(本編完結)あら...私、何か悪いこといたしました?

神谷 絵馬

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4 : 成績が良いのは王子妃教育の賜物ですわ。

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「私、グレーフィル教授が教鞭を取られている周辺国の歴史学については、既に王子妃教育で学んでおりますので1度も選択しておりませんの。
グレーフィル教授とは、私的にも公的にも、親しくしたことはありませんから、略式の署名ではお手紙なんて送れませんわ。」

「何言ってるんだ?!お前ぇ!!!」

「誰が猿轡を外しましたの?!
私達は許可を出しておりませんわよ?!」

あの方の猿轡を外した時に、殿下のも外されていたのでしょうか?
全く気付きませんでしたわ。
王妃陛下...犯人探しは必要ありませんわ。
殿下のお隣に、やらかした!と言わんばかりに冷や汗をおかきになられている衛兵さんがおられますもの。
それに、もう私の冤罪はスッキリと晴れておりますでしょう?
噛み付き癖のある殿下といえど、もう何も言えないでしょうね。

「...まぁ、良い。
そこのフェリス?といったか...お前は署名の偽造という罪により、後に裁かれることとなる。
その両親も何らかの罪を犯しているようだな。父親は、不法滞在と我が国の貴族への侮辱という罪もある。
衛兵!3人を引っ立てよ!

この裁判は、ユーティリカ嬢の罪といえる証言は1つも無かったことから、ユーティリカ嬢は冤罪により断罪されたのだと結論が出た。
ユーティリカ嬢、すまなかったな。

第2王子、お前には本当に失望した。
王族であると同時に、お前は成人した身でもある。
このことは、子供の戯れ言では済まされない一大事であると心得よ。」

「フェリスをどこへ?!
これは全て、あの雌狐の差し金です!!
心優しいフェリスが、罪を犯すなど!
あり得ません!!
誰かにやらされたんですよ!!」

「そうですね...罪を犯させられているという事実は、一応ありますよ。
その娘は、今ではろくに働けていないそこの両親により、未成人の内から売春婦として働かされております。」

「フェリスが、売春婦だと?!!無礼な!!」

「殿下も、その娘と身体の関係がおありでしょう?
娘と母親の日記に書いてありましたから...。
その時にお気付きでは無かったのですか?
その娘は生娘では無いことに。」

「?!!たしかに、少し慣れているようではあったが...まさか?」

「気付いておられなかったのですか?...なんとも鈍い。
この顧客リストが正しければ、大体1日に3~4人程の客を取っていたようですよ?
学園に入学してからは、授業が終わってからですから2人程のようですけど...ほぼ毎日ですね。」

あらあら、いくら学園が終わってからといっても、お客さまを取れるような時間がそんなにありましたかしら?
もしかして、いつもだらしないお顔をなさっておられたのは、寝不足からなのかしら...?
殿下も、身体の関係がおありだったのなら、生娘かどうかくらい直ぐに気付けるでしょうに...あら?
婚約者がいながら、愛人と身体の関係が有ったなんて、本物の不貞ですわね。
文官さん、ナイスアシストですわ!
殿下ったら、見事に誘導自爆しましたわね。
陛下でさえも、侮蔑の視線を送られておりますわ。
許されていない愛人を持って直ぐに身体の関係を結ぶなんて、信じがたいことですわ。
それと、未成人の娘にほぼ毎日売春させていただなんて、呆れるしかないわね。
そんな生活を送っていてそれなりに普通に過ごしていたなんて、親子揃ってどれだけ好色で丈夫なのかしらね?





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