蔑まれた悪女は極上令息に溺愛される

「婚約を破棄してほしい」
「お断りいたしますわ」

 ヴァレンティーナは即答した。

――婚約破棄なんて常識的にありえませんわよね? 将来結婚するという「約束」なのですよ? 家同士で交わした契約書もきちんとありますし、どうしてその約束を簡単に反古にできると思われるのかしら? この方、常識を知らないのですわ。頭かちわって中身を検分して差し上げるべきかしら?

 ヴァレンティーナは自称超常識人であり、悪名高い悪女でもある。

 このお話は少しズレた常識を掲げる彼女が、極上令息と出会い、恋をして、そしてやっぱり「婚約破棄はお断り」する――。そんなお話である。

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