真っ白子犬の癒やし方

雨宮くもり

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9 闇の中※

9-1 いい子いい子

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◆ ◆ ◆



「よしよし。いい子いい子」


 スフェーンは猫なで声をあげながら、オレの口を無理矢理こじ開ける。
 長細いガラスの筒を焦らすように出し入れし、舌の上でゆっくりとかたむけていく。
 おそろしく冷たい液体が喉に直接流れ込んできた。


「げほっ!」

「だめだめ。ちゃんと飲んでねぇ。キミはそのためにここにきたんだからさぁ」


 どんなに吐き出そうとしても押さえ込まれ、強制的に天井を向かされる。


「げほっ、がはっ、ぐ!」


 何故こんなことになったのか分からない。
 気づいたら、地下牢のような薄暗くて狭い空間にいた。
 手足の自由は鎖で奪われ、石のベッドに縛り付けられていたのだ。

 挙げ句の果てに、イカレタままごとみたいなことを──。

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