スライムですが?



どんな姿、形にもなれる超生物を生み出した「サカモト博士」は、その生命体に“スライム”という名前をつけた。

スライムは有機物、無機物問わず、どんな物にでもなれる。

しかし唯一、なれないものがあった。

それは「自分」という存在そのもので、自分とはなにか?を認識することだ。

博士は悩んでいた。

どうすればスライムに自我を持たせられるのか。

形あるものにはなんにでもなれる。

その気になれば、「空気」にだって。


「自分」という存在を見つけてもらうため、博士はスライムに名前をつける。

そして普通に暮らす人間と同じように、教育を受けさせることにした。

田舎の町の中にある、——学校に。


これは、何にでもなれるスライムが、1つの「形」を見つけるまでの物語である。
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