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第九十五話 継母の言葉
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デュヴィテール王国とルクシブルテール王国の関係は良好。
その為、ルクシブルテール王国の王室に妃になる女性が、デュヴィテール王国にある貴族の家の後継者になることも認められている。
とはいうものの、わたしとしては、ボードリックス公爵家にとどまり続けるのであれば、当主の座にこだわり続けたのかもしれないけれど、この家を去ってしまうので、特にこだわりはなかった。
そして、実際問題として、ルクシブルテール王国の内政で手一杯になることが予想された。
そこで、次期の当主の座をオディナティーヌに譲ることも検討しようとした。
オディナティーヌが次期の当主の座につくとなると、継母の勢力の再拡大が予想された。
今までのオディナティーヌは、継母に従順だったからだ。
オディナティーヌが次期の当主の座につけば、継母が今まで抑えていた贅沢を抑えられなくなり、ボードリックス公爵家の領民の負担増につながって、領民が困窮していくという毛懸念はあった。
しかし、最近のオディナティーヌは人間的に成長してきていて、継母に従順ということではなくなってきていた。
ゲームの中でも、人間的な成長の部分は、多くはないものの描写されていた。
継母が贅沢をしようとしても、抑えてくれるだろう。
そういう点で、わたしは次期の当主の座をオディナティーヌに譲っても大丈夫だと思ったのだった。
しかし、お父様は、
「ボードリックス公爵家の次期の当主に、一番ふさわしいのはお前だとわたしはずっと思ってきたのだ。もともとお前は才色兼備であって、領内経営のことを幼い頃から学んできた。そして、最近は心がやさしくなっていると評判だ。わたしも今まで、当主として大切な要素の一つである心のやさしさが、お前にはあまりないことを心配していた。しかし、それももう大丈夫なようだ。領地経営については。もともと心配はしていない。お前であれば。家臣と協力して、いい政治をしてくれると思っている。そして、その心のやさしさを政治に生かしていけば、きっと、領民に慕われる名君になるだろう。妃と当主の兼任は、大変だと思う。しかし、お前にならばできる」
と言ってくれた。
わたしをそこまで評価してくれるのは、とてもうれしいことだ。
ボードリックス公爵家内では、次期の当主の座にわたしがつくことについて、反対の動きは。あった。
継母を支持する人たちの中に、オディナティーヌを推す動きがあったからだ。
しかし、その動きは大きくはならなかった。
反対の一番手であっただろう継母が、動かなったのだ。
婚約を認められて、ボードリックス公爵家の王都の屋敷に戻った後、わたしは継母と二人きりになる機会があった。
この時、継母は、厳しい表情をしていた。
わたしは王宮に招待されて行く前も、継母と話をした。
その時の最後の方は、わたしに対する態度がいい方向に向かっているように思えた。
しかし、この日は、態度がもとに戻っているようだったので、わたしは話をする前から少し嫌な気分になっていた。
継母は、
「あなたのような人魅力のない人が、名誉あるルクシブルテール王国の王太子殿下と婚約するなんて……。この心の打撃は大きいの。悔しくてしょうがないわ。わたしはこの間、あなたに屈服してしまった。その悔しさだって残っている。今回あなたが王宮に行って、ルクシブルテール王国の方々に嫌われれば、もう一度あなたに対して優位になれると思ったの。そうすれば、今度はあなたの方が悔しがるだろうと思って。そのことを期待していたの。でもあなたは、嫌われるどころか、信頼されて、婚約を認めてもらった。これは、あなたの勝利よ。それがますます悔しさを大きくしていくの」
と言った。
その為、ルクシブルテール王国の王室に妃になる女性が、デュヴィテール王国にある貴族の家の後継者になることも認められている。
とはいうものの、わたしとしては、ボードリックス公爵家にとどまり続けるのであれば、当主の座にこだわり続けたのかもしれないけれど、この家を去ってしまうので、特にこだわりはなかった。
そして、実際問題として、ルクシブルテール王国の内政で手一杯になることが予想された。
そこで、次期の当主の座をオディナティーヌに譲ることも検討しようとした。
オディナティーヌが次期の当主の座につくとなると、継母の勢力の再拡大が予想された。
今までのオディナティーヌは、継母に従順だったからだ。
オディナティーヌが次期の当主の座につけば、継母が今まで抑えていた贅沢を抑えられなくなり、ボードリックス公爵家の領民の負担増につながって、領民が困窮していくという毛懸念はあった。
しかし、最近のオディナティーヌは人間的に成長してきていて、継母に従順ということではなくなってきていた。
ゲームの中でも、人間的な成長の部分は、多くはないものの描写されていた。
継母が贅沢をしようとしても、抑えてくれるだろう。
そういう点で、わたしは次期の当主の座をオディナティーヌに譲っても大丈夫だと思ったのだった。
しかし、お父様は、
「ボードリックス公爵家の次期の当主に、一番ふさわしいのはお前だとわたしはずっと思ってきたのだ。もともとお前は才色兼備であって、領内経営のことを幼い頃から学んできた。そして、最近は心がやさしくなっていると評判だ。わたしも今まで、当主として大切な要素の一つである心のやさしさが、お前にはあまりないことを心配していた。しかし、それももう大丈夫なようだ。領地経営については。もともと心配はしていない。お前であれば。家臣と協力して、いい政治をしてくれると思っている。そして、その心のやさしさを政治に生かしていけば、きっと、領民に慕われる名君になるだろう。妃と当主の兼任は、大変だと思う。しかし、お前にならばできる」
と言ってくれた。
わたしをそこまで評価してくれるのは、とてもうれしいことだ。
ボードリックス公爵家内では、次期の当主の座にわたしがつくことについて、反対の動きは。あった。
継母を支持する人たちの中に、オディナティーヌを推す動きがあったからだ。
しかし、その動きは大きくはならなかった。
反対の一番手であっただろう継母が、動かなったのだ。
婚約を認められて、ボードリックス公爵家の王都の屋敷に戻った後、わたしは継母と二人きりになる機会があった。
この時、継母は、厳しい表情をしていた。
わたしは王宮に招待されて行く前も、継母と話をした。
その時の最後の方は、わたしに対する態度がいい方向に向かっているように思えた。
しかし、この日は、態度がもとに戻っているようだったので、わたしは話をする前から少し嫌な気分になっていた。
継母は、
「あなたのような人魅力のない人が、名誉あるルクシブルテール王国の王太子殿下と婚約するなんて……。この心の打撃は大きいの。悔しくてしょうがないわ。わたしはこの間、あなたに屈服してしまった。その悔しさだって残っている。今回あなたが王宮に行って、ルクシブルテール王国の方々に嫌われれば、もう一度あなたに対して優位になれると思ったの。そうすれば、今度はあなたの方が悔しがるだろうと思って。そのことを期待していたの。でもあなたは、嫌われるどころか、信頼されて、婚約を認めてもらった。これは、あなたの勝利よ。それがますます悔しさを大きくしていくの」
と言った。
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