フレデリカ嬢は、ド田舎で忠犬と暮らしたい
フレデリカ・スピッツ(16歳)は、貧乏男爵家の一人娘。
平凡顔の両親から美点だけを絶妙に受け継ぎ、奇跡の美姫と呼ばれる彼女は、幼い頃より裕福な貴公子を捕まえるように周囲から耳タコされていた。そんな周囲の期待とは裏腹に、至って地味な性格のフレデリカ嬢は、男のご機嫌取りに費やす一生なんてご免だった。夢はド田舎の小さな家で愛犬ラウルと静かに暮らすこと……そうだ、愛人になろう。
愛人ならば、郊外別宅住まい。旦那様ともそこまで頻繁に顔を合わせずに済むはず……そんな斜め上の野望を抱いた彼女は、若く美しい貴公子達には目もくれず、二回り以上年嵩で、奇しくも愛犬と同じ名を持つ裕福な貿易商、ラウール・カリバーン(既婚)に狙いを定めた。
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