この坂のむこうで

幼稚園の頃から、毎朝一緒に坂を登ってきた。

それが当たり前だった晃次と小夜子。
高校三年の春、文化祭の準備が始まり、二人の距離にわずかな変化が生まれる。

実行委員として走り回る小夜子。
裏方に回る晃次。

帰り道がずれる日。
歩幅が合わない階段。
視線だけが交わる瞬間。

言葉にしないまま、関係は少しずつ形を変えていく。

「兄貴みたいな顔で隣にいるの、やめる」
「じゃあどうするの?」

告白はしない。
それでも位置は変わる。

坂のむこうで、二人は並ぶ。

幼馴染が“ただの幼馴染”でいられなくなるまでを描く、
静かな高校生恋愛小説。
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