タブー的幻想録

ももいろ珊瑚

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第五章 ねじ曲がった擬似愛

俺と彩香の初めての夜

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『文中には性描写も使用しており、R18指定とさせて頂いております。18歳未満の方、好まれない方の閲覧は御遠慮くださる様お願い致します。』




 自分の誕生日なのに、夜景が見渡せる席を段取りするのも変な気分だったが、彩香あやかの気持ちを盛り上げるには十分に効果があった様だ。
 その彼女は強く無いから、と勧めたホワイトレディ一杯で、顔を上気させている。
 タクシーの中でもずっと俺の肩に凭れ掛かり、上目遣いな眼差しは唇と同じく潤んでいた。
 後は上手く部屋へと誘うだけ……。


「明日は休みだ。今夜は少しくらいは遅く為っても平気だろう? 君に俺の誕生日の夜を祝って欲しい……君が焼いてくれたケーキも一緒に食べたい。今夜は部屋に上がってくれるだろう?」

「新庄さんは酔うと甘えん坊さんになるのですね」

(甘えかたが巧いとはよく言われてるよ)

「甘えん坊? ハハハ、君の前ではそうなってしまうのだろうな。もっと甘えさせてくれるかい?」

(嫌と言えなくするのは十八番だ)

「じゃあ少しだけお邪魔致しますね」

(成功だ。無論“イヤ”とは言わせないつもりだがな)



 適当な皿とフォークを二組をテーブルに置いた後、何度か来ていて勝手の知ったキッチンで、ケーキを取り分けるナイフを探していたが、そういった物は揃えていないので果物ナイフを持ってきて、彼女は自分の焼いたロールケーキを切ろうとしている。

「なあ、そんなの後にしないか? 一番欲しいプレゼントを開けてみてはいけないだろうか?」

 キョトンとした顔で俺を見ている彩香あやかの手から、ナイフを取り去りこちらを向かせた。

「君の大切なものをさ。俺にくれないか?」

「えっ。でも私……」

「分かってる」

 今までも上手く逃げられてきた。 渋るのは想定内だ。 だが今夜は俺も退いてやらない、断られる訳にはいかない。

「結婚相手にあげたいって言ってたよな? 俺も考えた、約束しよう。本気で結婚を考えて、来月の良い日を選び両親に会って貰いたい。その前に正真正銘、俺の物にしたい。駄目かい?」

「私……何も用意してない……」

「用意って? 何が必要だと?」

「準備が……心の準備が出来ていません」

「信じてくれていないんだ……俺が至らなさ過ぎか。悲しいよ」

「それはっ!そんな事無いですよ、何事にも真面目で私みたいなひよっこの言うことも真摯に受け止めてくれる貴方を、信頼しないなんて無いです」

 防備を崩した彼女を更に畳み掛ける。

「ありがとう。その気持ちと君さえ居れば十分だよ。君の他には何も要らない」

 かなり戸惑い躊躇する彼女を抱き寄せ、唇を奪いつつ傍らのクッションを跳ね除け、下から指輪の入った小箱を取り出し、彼女の胸に押しやり見せる。

「俺からのプレゼント受け取ってくれるだろ? 偽らない気持ちだ。ほら、手に取って」

 開けてみる様に促した。
 中を確認し案の定、彼女は涙を流し始めた。

「粒は小さ目かな。俺の覚悟を理解させたくて一応ティファニーにした。君に似合うと思うが、どうだい?」

 自分で嵌めようと指輪を抜こうとする手を握る。

「おっと自分でするのは違うんじゃないかい? 指輪は嵌めてあげたい。今は邪魔になるから、君からのプレゼントを受け取ってからだな。さあ一緒にシャワーを浴びよう。いや恥ずかしいか……先に浴びておいで。それともこのままベッドに行きたい?」

「いえ気持ちを落ち着かせたいし……お風呂を頂きます。私が先にで宜しいのですか? 新庄さんが先では?」

「女が先に身を清める、男は急かさずそれを待つ。そんなものさ」

「そんなものなのですか……では私から」


 先に入らせて覚悟を決めさせる。 素っ裸にされれば拒否しようにも出来ないからな。

(俺も後で行くから身体を洗って待ってろ)

 換気扇の下で一服する間、今から目にするだろう裸体と事の工程を想像する。

(感度はどうだろう? 初めてってのは嘘だろうけど、男性経験は少なそうだからな。反応も青いかもしれないが、徐々に俺の色に変えてやる)



「俺も入るよ」

 声を掛け、浴室の折戸を開けた。 彩香あやかが小さな悲鳴をあげ、しゃがみ込もうとするのを抱き締め口で蓋をして、もう何も言えなくしてやった。

 後ろを向かせて項から背中へ唇を這わせると、彼女は短く吐息を漏らした。
 浴室は音が響き、小さな音や喘ぎ声を換気扇から外へと漏らす恐れもある。

「俺も汗を流す序に、洗ってやるよ」

 シャワーのコックを全開にして、その手で形の良い胸をまさぐり、もう片方は腰骨と恥骨の上をなぞり秘所へ潜り込ませた。 恥ずかしがり閉じようとする脚も、入念な愛撫で脱力してゆく。
 俺もセフレと会う回数を減らし節制していて、いたずらに堪えたくない。 腰を抱え込み俺のを当てがって推し入れた……いや、入れようとしたが抵抗を感じ先っぽから進まない。

(十分に濡らした筈なのにどうしてだ)

 確認しようと指二本を秘壺へ差し入れると、彩香あやかが悲痛な声を漏らした。

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