星輪のギメルス
勝者の凱歌が響く裏で、真実の産声はいつだって静寂の中に落ちる――。
星霊暦491年、英雄によって「魔王」と恐れられた皇帝が討たれ、2000年に及ぶカナン帝国の栄華は終わりを告げた。
物語の舞台は、それから十数年後の星霊暦504年。
絶壁に囲まれた辺境の楽園「マイムハレム」のガラーシャ村では、多様な種族が寄り添い、穏やかな日常を営んでいた。
魔法は苦手だが真っ直ぐな心を持つ少年エフェスと、身分を隠して生きる亡国の王女エセル。幼馴染として育った二人は、星月夜の湖畔でささやかな未来の約束を交わす。
しかし、その平穏は理不尽に引き裂かれる。
新興勢力・アルケテロス教の軍勢が突如として村を強襲。
燃え盛る炎の中、エセルは為政者としての重い宿命を背負って未知なる外の世界へ脱出し、全てを奪われたエフェスは託された一振りの「星剣」と共に絶望の森へと逃れ落ちるのだった。
交わることのない別々の道を歩み始めた少年と少女。
安易な奇跡や救済は存在しない。
「生きるためには戦わなければならない」という過酷な世界で、それでも「感謝」を胸に前へ進む者たちの、壮大なハイファンタジー群像劇。
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