聖女なのに婚約者に魔女呼ばわりされました。婚約破棄もされたので隣国に移住します。

「何が聖女だ!お前は魔女だ!聖女ってのはなマリーのような女性のことを言うんだ。お前は町や村に出てきたない民衆に媚びをうっているだけだろ。この間もその力で魔物に襲われた俺を助けてくれた。俺にとって必要なのはお前じゃなくマリーなんだよ」

私はレオポールからつらつらと発せられた言葉に開いた口が塞がらなかった。

この国の財産である民との交流を蔑ろにした上に、聖女の家系である私を魔女呼ばわりするなんて。

「お言葉ですがレオポール様。私は聖女としての務めを果たしているだけです。それにわが一族は、王家より聖女の血筋として認められた由緒ある家です。いくらレオポール様とはいえ度が過ぎております」

「知らぬ!俺様が認めぬのだ」

「ですが、私たちの婚約も王直々のお話のはず。それを」

「黙れ黙れ!魔女との婚約など認められるわけがなかろう。貴様らはこの俺様達王家をだました大罪人だ。その罪は償わせてもらうからな」

私は衛兵に腕をつかまれ部屋から追い出されました。

「私のこれまでの人生は何だったのかしら」
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