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ハロルドの謹慎が解けた日。
私は溜まりに溜まった執務に追われていた。
流石優秀なだけあってハロルドの抜けた穴はかなり大きかった。
しかしそれは私の自業自得。
たまたま私が王子で舞踏会の時のことだったからハロルドが謹慎になったが、私は私を殴ったハロルドの気持ちが分からないわけではない。
あんなに可愛い妹がいたら私もハロルド同様…いや、それ以上に可愛がるしドシスコンになる。
間違いない。
だからハロルドのしたことは間違ってはないと伝えねば。
とそんなことを思いながら山積みの執務をこなしていた。
するとノックの音がしてハロルドが戻ってきた。
私は休憩がてら人払いをしてハロルドと2人になる。
「先日は大変申し訳ございませんでした」
ハロルドが深く頭を下げた。
私はそれを受け取った後
「なぁ、ハロルド、たまには友として話さないか?」
と提案した。
ハロルドは
「分かった」
と一言だけ言って友の顔になる。
きっと私の言いたいことが分かっているのだろう。
不機嫌さが全く隠されてない。
私は
「この前の舞踏会の時は悪かった」
と前置きして
「一目惚れで初恋なんだ」
と言った。
ハロルドは更に不機嫌になって
「なんでエリーチェなんだよ?
お前にはレイチェル嬢がいるだろ?
なんの不満があるんだ?」
と言う。
「レイチェル嬢は単なる政略結婚の候補に過ぎない。
お互いにな。
だがエリーチェ嬢は違う。
好きなんだよ!!」
「それがどういうことか分かっているのか?
俺はエリーチェに余計な苦労はさせたくない」
「それは分かる。
だから私の精一杯でエリーチェ嬢を守る。
約束する。
レイチェル嬢のことも解決するまではエリーチェ嬢にはアピールすらしない。
舞踏会の時は本当に悪かった」
「そうか。
だがそれだとレイチェル嬢はどうなる?
幼少の頃からお前の妃になる為だけに生きてきたんだぞ。
それを無駄にするのか?」
「それは…」
「それにレイチェル嬢は……」
(ん?
話がおかしな方向に向かってないか?
まさかハロルドはレイチェル嬢のことが?)
私は内心まさかなとも思いながら聞いてみた。
「ハロルド、急に変なことを聞くが、お前の周りにリリアナ嬢がいないか?」
すると驚いたように
「なぜそれを…?」
と言った。
(ヤバい。
ゲームの強制力だ。
リリアナ嬢はハロルドを選んだんだ)
とすぐに気付いた。
だが、実はリリアナ嬢が選んだのはハロルドだけではないことをこの時の私は知る由もなかった。
私は溜まりに溜まった執務に追われていた。
流石優秀なだけあってハロルドの抜けた穴はかなり大きかった。
しかしそれは私の自業自得。
たまたま私が王子で舞踏会の時のことだったからハロルドが謹慎になったが、私は私を殴ったハロルドの気持ちが分からないわけではない。
あんなに可愛い妹がいたら私もハロルド同様…いや、それ以上に可愛がるしドシスコンになる。
間違いない。
だからハロルドのしたことは間違ってはないと伝えねば。
とそんなことを思いながら山積みの執務をこなしていた。
するとノックの音がしてハロルドが戻ってきた。
私は休憩がてら人払いをしてハロルドと2人になる。
「先日は大変申し訳ございませんでした」
ハロルドが深く頭を下げた。
私はそれを受け取った後
「なぁ、ハロルド、たまには友として話さないか?」
と提案した。
ハロルドは
「分かった」
と一言だけ言って友の顔になる。
きっと私の言いたいことが分かっているのだろう。
不機嫌さが全く隠されてない。
私は
「この前の舞踏会の時は悪かった」
と前置きして
「一目惚れで初恋なんだ」
と言った。
ハロルドは更に不機嫌になって
「なんでエリーチェなんだよ?
お前にはレイチェル嬢がいるだろ?
なんの不満があるんだ?」
と言う。
「レイチェル嬢は単なる政略結婚の候補に過ぎない。
お互いにな。
だがエリーチェ嬢は違う。
好きなんだよ!!」
「それがどういうことか分かっているのか?
俺はエリーチェに余計な苦労はさせたくない」
「それは分かる。
だから私の精一杯でエリーチェ嬢を守る。
約束する。
レイチェル嬢のことも解決するまではエリーチェ嬢にはアピールすらしない。
舞踏会の時は本当に悪かった」
「そうか。
だがそれだとレイチェル嬢はどうなる?
幼少の頃からお前の妃になる為だけに生きてきたんだぞ。
それを無駄にするのか?」
「それは…」
「それにレイチェル嬢は……」
(ん?
話がおかしな方向に向かってないか?
まさかハロルドはレイチェル嬢のことが?)
私は内心まさかなとも思いながら聞いてみた。
「ハロルド、急に変なことを聞くが、お前の周りにリリアナ嬢がいないか?」
すると驚いたように
「なぜそれを…?」
と言った。
(ヤバい。
ゲームの強制力だ。
リリアナ嬢はハロルドを選んだんだ)
とすぐに気付いた。
だが、実はリリアナ嬢が選んだのはハロルドだけではないことをこの時の私は知る由もなかった。
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